本研究の目的は、イギリスの学生組合はどのように学生代表を内部質保証に参画させているのかを明らかにすることにある。具体的に、学生代表はどのように選出され、いかなる方法で訓練され、そして、肩書きに応じてどのような役割を担っているのかを、5つの事例で分析した。この分析結果に基づき、本稿は右記の論点を提示した:イギリスの大学において、内部質保証に参画する学生代表が学生全体の声を教育改善に活かせているのは、学生組合が、① 学生代表の選出・研修を管理し、② 学生代表の役割を階層的に規定し、③ 学生代表の活動で得られた情報を学生組合で一元化し、その情報を学生全体に還元できているためである。
|