研究課題/領域番号 |
21K02659
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
高田 英一 神戸大学, 戦略企画室, 准教授 (60336039)
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研究分担者 |
森 雅生 東京工業大学, 企画本部, 教授 (20284549)
関 隆宏 新潟大学, 経営戦略本部, 准教授 (30380546)
大石 哲也 九州工業大学, 学習教育センター, 教授 (30552236)
小柏 香穂理 お茶の水女子大学, 教学IR・教育開発・学修支援センター, 講師 (60379922)
高松 邦彦 東京工業大学, 企画本部, マネジメント教授 (80392017)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 経営計画 / 中期計画 / 大学 / IR |
研究実績の概要 |
令和4年度は、前年度に引き続き、国立大学の第3期の中期計画の現状と課題の把握を行った。 具体的には、前年度に実施したロジックモデルを基とする国立大学の第3期の中期計画の形式面に関する分析と、第3期4年目終了時の国立大学法人評価の結果の比較研究を行った。その結果、高い評価結果を得た国立大学の中期計画は,そうでない国立大学の中期計画と比較して,項目数が少ないこと、文字数が多いこと、ロジックモデルに沿った構成であること、という傾向を明らかにした。これらの要素は、中期計画の効果である「構成員の共通認識の形成」に資する方向にあり、その結果、業績の向上につながったと推察される。国立大学としては、今後の中期計画の立案の際は、項目数の削減、文字数の増加、ロジックモデルを踏まえた記載を図ることが望ましいと思われる。 また、国立大学の中期計画について、第3期と第4期の中期計画の比較研究を行った。その結果、第4期の中期計画は、項目数の減少の一方で、文字数の増加という「構成員の共通認識の形成」に資する方向の一方で、「中期目標大綱」の提示などにより中期計画の外部志向的な傾向が強まったこと、評価指標には依然アウトカムの記載が少ないという「構成員の共通認識の形成」に向かわない方向も明らかとなった。この相反する状況に対応するためには、中期計画の進捗管理の際に関係者を積極的に巻き込む取組が考えられる。 これらの研究の成果については、取りまとめの上で、関係する学会、研究会等において公表し、関係者との意見交換を通じて、ブラッシュアップを図った。 さらに、我が国の全国公私立大学を対象として、中期計画の現状と課題を把握するためのアンケート調査の設計を行った。今後、令和5年度前半にアンケート調査を実施し、年度中にその成果を取りまとめ、公表する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画では、令和4年度に、国立大学の中期計画の現状と課題に関するアンケート調査、令和5年度に私立大学の中期計画の現状と課題に関するアンケート調査を実施する予定であったが、コロナウィルス感染症流行の影響もあり、アンケート調査の実施を令和5年度に延期し、調査対象を全国公私立大学として実施することとした。この方針の変更を踏まえて、令和4年度から、上記のアンケート調査の設計を行った。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度に、全国公私立大学を対象とするアンケート調査を実施し、その結果を取りまとめて、学会、研究会等に報告し、関係する研究者・実務者等との意見交換を踏まえて、ブラッシュアップを行い、その成果を中期計画の策定に関する手引きとして活用できる報告書として取りまとめる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和4年度に予定していた国立大学の中期計画の現状と課題に関するアンケート調査については、新型コロナウィルス感染症流行の影響等もあり、令和5年度に延期した。このため、令和5年度に、全国公私立大学を対象とするアンケート調査を実施する予定である。
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