研究課題/領域番号 |
21K02684
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
中塚 志麻 神戸大学, 保健学研究科, 保健学研究員 (10595490)
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研究分担者 |
高田 哲 神戸大学, 保健学研究科, 名誉教授 (10216658)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | レジリエンス / スティグマ / COVID-19 |
研究実績の概要 |
本研究は、COVID-19感染者と緊密な関係である医療従事者や福祉関係者の中で発生する連合的スティグマとレジリエンスに焦点をあて、教育・福祉施設の職員を対象としたスティグマ軽減プログラムを開発し、その効果を検討することを目的としている。本年度は、COVID-19クラスターが発生した1施設(8名)の職員を対象にインタビュー調査を行った。インタビュー調査の分析方法はSCAT(STEPS FOR CODING AND TEORIZATION)とTEM(複線径路・等至性モデル)を使用する。対象を非感染者と感染者に分け、現在分析中である。また、2020年にクラスター発生した保育施設の管理職が独自に作成したアンケートの一部を資料として、日本子育て学会第13回大会にて「COVID-19クラスター発生保育施設における職員の不安と困難感」のタイトルで発表を行った。結果においては、「子どもがいじめられるのではないか」という差別や偏見の問題、行政から情報を制限されていたため全職員に共有できなかった問題等があげられた。今後の課題では、体調管理を含めた職員全員の働き方改革の重要性や情報管理の問題があげられた。 プログラム開発において、研究フィールドとなる福祉施設と連携・調整を行い、R4年度より本格的な研究が実施できるように準備を重ねた。また、本プログラムのワークブックとして、2022年度版レジリエンスダイアリーを200部作成し、研究対象者を有する関係機関に配布し、予備調査の準備を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予定通りインタビューを実施することができたが、複線径路・等至性モデル(TEM)の分析方法では、同一人物に対して複数回のインタビューが必要であり、さらにインタビュー回数を増やさないといけないため、研究の推移はやや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度は、さらにインタビューを実施し、分析を行う。併せてスティグマ軽減レジリエンスプログラムを開発し、予備調査を行う予定である。予備調査の1つとして、大学生を対象としたunconcious biasを用いたスティグマ軽減教育の介入研究を行う予定である。また、福祉施設でも同様の内容で研修として実施する。結果については、日本育療学会等で発表する予定である。令和5年度は、令和4年度の結果を踏まえ、スティグマ軽減レジリエンスプログラムの実施と評価を中心に行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究を進めていく上で研究計画通り必要に応じて研究費を執行した。実際には当初の予定額と執行額は 異なったが、研究計画に変更はない。次年度も、前年度の研究費も含め、当初の計画を進め ていく予定である。
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