研究課題/領域番号 |
21K02700
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
渡邊 洋子 東京医科歯科大学, 学生支援・保健管理機構, 助教 (80811108)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 医療実習 / 合理的配慮 / 発達障害 / 支援ニーズ / 質問紙 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、発達障害の自閉スペクトラム症と注意欠如・多動症の傾向のある学生が、医療実習において直面する困り感と支援ニーズを把握するための質問紙を開発することである。背景としては、発達障害を持つ学生への「合理的配慮」の概念に基づく修学支援が求められる中でも、医療実習における配慮については、患者への考慮等から判断が難航する。また発達障害の診断基準はグレーゾーンも多く、大学等の高等機関においては成績については全く問題ないタイプなど、見逃され、支援に繋がらないケースが多いという状況がある。本研究では、発達障害特性を持つ学生が、実習場面で抱えやすい困難場面や困り感を設定しつつも、全ての学生にも役立つユニバーサルデザイン型の質問紙を作成することで、潜在的ニーズも把握できるものとする。2021年度は、実習参観を実施し、観察法による記録や分析、また実習担当の教員とのインタビューなどから問題を抽出し、項目作成を行う予定であったが、新型コロナウイルス感染症の影響により、実習の実施そのものや参観、インタビューも困難となった。計画を修正して、医療実習内容の調査の実施や、これまでに起こった実習での問題等を調べて抽出、加えて発達障害関連困り感尺度(高橋,2012)や発達障害に関わる手記、事例報告論文等を参考に、障害特性から起こりうる実習での困り感を抜き出し、項目作成を行った。2022年度は学内の学生を対象に4件法で質問紙を実施し、分析を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症の影響により、2021年度内に当初予定していた実習の参観やインタビューが困難となり、研究計画を修正する必要があったため。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は既に実習の参観が可能となった学部も出てきていることから、感染対策を十分に行った上で実施する。インタビューや調査についてもオンラインを適宜活用し、実施していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の医療現場の状況を鑑み、研究計画を一時中断していたため、物品購入等を延期していた。2022年度については研究計画を修正し進められるため、統計ソフト等、延期していた物品の購入にあてる予定である。
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