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2022 年度 実施状況報告書

眼球運動計測による読み書き困難児の視覚情報処理過程の検討

研究課題

研究課題/領域番号 21K02708
研究機関香川大学

研究代表者

中島 栄美子  香川大学, 教育学部, 准教授 (70533884)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード読み書き困難 / 眼球運動計測 / 視覚情報処理
研究実績の概要

本研究では、小学生を対象として、漢字や図形を知覚する際の眼球運動を計測し、読み書き困難児の視覚情報処理過程の特徴を明らかにすることを目的とした。具体的には、読み書き困難の有無による漢字写字課題遂行中の注視の特徴を比較するとともに、神経心理学的検査を用いて、図形知覚における眼球運動を把握することで、読み書き困難児の視覚情報処理過程を明らかにする。
2022年度は、実施手続きの見直しを行った。まず、前年度に使用していたRey複雑図形については、図形が複雑すぎて、小学生には30秒で記憶し再生することは部分的にも大変困難であったことから、刺激図形を再検討した。具体的には、漢字の知覚に関連する視覚的な図形認知を把握するため、図形の部分処理と全体処理に関する課題(global-local図形)に変更した。刺激図形は、大平(2013)を参考にして、全4問作成した。また、実在しない漢字(以下、偽漢字)は6文字作成し、それぞれ小学校1、2年生で学習する漢字の構成要素を組み合わせた。実施手続きとしては、本学の相談機関に来談した、小学校2年生から6年生までの児童4名を対象に、漢字および図形を見て覚える際の眼球運動を、注視点追跡装置(Tobii Technology社製T120アイトラッカー)を用いて計測した。図形の視写課題4問を実施した後、偽漢字の視写課題6問を実施した。図形および偽漢字は、画面中央に10秒間提示され、画面上から消去された後、対象児は記憶した偽漢字を回答用紙に再生した。概ね検査手続きは確定したため、今後は事例数を増やしたうえで、図形や漢字の視覚的認知に特徴のある事例を抽出し、漢字習得のつまずきと関連させて、より詳細な検討を加えたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

前年度に得られた検査実施方法の課題と改善点に基づき、実施手続きの見直しを行ったため、当初の計画よりもやや遅れている。

今後の研究の推進方策

今後は、読み書きに困難がある子どもの検査を増やして継続的にデータを収集し、分析を行う。特に、図形および漢字の視覚的認知に特徴のある事例を抽出し、詳細な検討を行うことで、漢字書字のつまずきと視覚認知の関連性について明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

検査用パソコンの更新を見送った。次年度に購入する計画である。

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公開日: 2023-12-25  

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