本研究の目的は,第一に児童期になった知的障害・発達障害のある子どもをもつ保護者”育てにくさ”について,その現況や概念を明らかにすることである。また,特別支援学校・学級における効果的な教育支援の実施のために大変重要な位置を占めている保護者の心理面のサポートについて,その対応や具体的なペアトレ等,子育てのプラットホームを担う学校実践のあり方を検討することである。 本年度は,⑤『知的・発達障害のある児童生徒をもつ保護者のための”育てにくさ”対応マニュアル』刊行と,⑥『ペアレントトレーニング(保護者会活用型)プログラム』の刊行・公開に向けて取り組んだ。具体的には,⑤乳幼児期の子どもを育てる保護者を対象(回答者753名,うち分析対象となった616名)に,回答リンクを記載した依頼状の配布,又は縁故法によってWEB調査を行い,発達障害やその懸念と育てにくさの関連について検討を行った。また,”健やか親子21”における”育てにくさを感じる親に寄り添う支援”をもとに作成されたアセスメントツールをOtgontenger University International Conferenceにおいて紹介した。⑥東京都内の特別支援学校において,12名の保護者を対象にペアレントトレーニング講習会を実施し,効果検討を行った。現在は,知的・発達障害のある児童生徒をもつ保護者のための”育てにくさ”対応マニュアル』の刊行と『ペアレントトレーニング(保護者会活用型)プログラム』の刊行・公開に向けて準備を行っている。 研究期間全体を通して,乳幼児期,児童期の知的障害・発達障害のある子どもをもつ保護者”育てにくさ”の概念と現況を明らかにし,現況に適用される”育てにくさ”対応マニュアルと,保護者会活用型のペアレントトレーニングプログラムの開発・実践を行った。
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