研究課題/領域番号 |
21K02726
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研究機関 | 東京福祉大学 |
研究代表者 |
柳本 雄次 東京福祉大学, 教育学部, 教授 (30114143)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | スヌーズレン / 多重感覚教育環境 / 重度・重複障害者 / 自立活動 / 特別支援学校 |
研究実績の概要 |
本研究で挙げた以下の研究課題のうち、当該の課題を担当する研究協力者を決定し、それぞれ分担グループを組織し独自に研究活動を行いながら、計8回、ほぼ1か月ごとに全体研究会を開催し、進捗報告と協議を行ってきた。 まず①スヌーズレンの概念については関係文献に基づき個別およびグループで取り組んだ。概念の教義的把握と広義的把握についてより精緻に詰める必要性が提起された。②スヌーズレンの特別支援学校等における実践の現状と課題を把握するために、担当グループおよび全体研究会で調査対象と内容、アンケート調査の質問項目の検討を行った。③スヌーズレン対象者の感覚特性を評価するアセスメント方法に関しては国内と国外の文献を収集・分析するための準備を行い、成果を部分的に取り上げ協議した。④特別支援学校の自立活動指導にスヌーズレンを適用した教育実践については実地調査や面接調査を行う計画であったが、本年度はコロナ禍で実施できなかった。協力者自身の実践を中心にした協議にとどまったが、コロナ感染終息を待って可能な範囲で積極的に進める予定である。 上述のように研究活動は必ずしも順調に進捗できたとはいえないが、年間を通じて全体研究会を遠隔で定期的に開催し、研究協力者との情報交換・協議により得た成果は一定程度評価できると考える。次年度は各課題の責任者を研究分担者としてグループ単位での活動を機動的に進捗させる。また、研究成果を日本特殊教育学会や出版等で発表することを研究計画に明示して、研究の活性化を図る。さらに、スヌーズレン関係の団体との活動の活発化に努める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上述した研究課題ごとに研究の進捗状況には差異が見られた。 スヌーズレンの概念、感覚特性の評価方法に関しては文献収集にやや制限も見られたが、文献解読はほぼ順調に進展が見られた。しかし、グループ討議が遠隔会議では研究の深化に不十分なさが認められた。 他方、特別支援学校における自立活動の実践と課題を把握するための調査や自立活動におけるスヌーズレンの実践実態の分析については、研究協力者自身の実践に限定されてしまい、コロナ禍のため予定した予備調査や実地調査がほとんど実施できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究活動を活性化するには、何よりコロナ感染の終息が期待されるが、全体研究会に限られた遠隔会議を課題別グループにも広げて、個々の課題研究の進捗をより促進する。そのため、研究協力者の一部を研究分担者として位置づけ、責任体制を明確化する。 また、1年間の活動成果を踏まえ、日本特殊教育学会等関連学会におけるシンポジウム開催や著書・論文等の発表により広く社会に発信する努力をしたい。 今後、本研究会だけでなく、スヌーズレン関係の諸団体とも連携を強め、より多角的に研究活動や研究成果を活性化していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度の使用額は間接経費のみで、全体研究会は全8回とも遠隔会議システムで実施したため、使用額は0円であった。次年度の研究の進捗状況によっては、本来の研究活動の遂行と合わせ、関連学会のシンポジウム開催や対面会議の実施等も重なり、当該年度分と翌年度分を合わせた使用となることも考慮される。
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