研究実績の概要 |
研究二年目は、次のように研究を遂行した。二年目は、一年目に抽象語の発達を検討するための本研究で使用する語彙リストを作成した。 ①まず、語彙リストについて、難易度・品詞ごとに再度整理した。難易度については、「新教育基本語彙」(阪本,1984)にある単語の学年段階と重要度に倣い9段階に分類した。また、単語心象性の数値も参考にし、さらに日本語語彙体系(NTTコミュニケーション科学研究所,1997)における単語のカテゴリーについても参考に整理した。 ②実際に三年目の5月に行う予備調査での出題単語の数について、既存の「標準抽象語理解力検査」(宇野,2002)を参考に検討し、試作問題への所要時間等検討し、幼稚部から小学部2年生までは保護者が幼児児童の理解を評価する方法で45問のテストを作成した。小学部3年生以上高等部3年生までは、児童生徒が回答する方法で、33問のテストと32問のテスト2つを作成し、合計65問のテストを作成した。 ③問題作成にあたっては、ただ「知っている」だけで評価するのではなく、「知っている」と回答した児童生徒に対して、その出題単語を使用した例文3文から、正しい使い方の文を選択させるという2段階で、理解を確かめるテストを作成した。テストに含める単語は、抽象語と具体語の理解度の比較も行うため、抽象語と具体語をランダムに含めたテストとした。 <予備調査に使う単語>一例 調子(抽象名詞)豆腐(具体名詞)きよらか(名詞以外の抽象度が高い単語)順序(抽象名詞)太陽(具体名詞)知恵(抽象名詞)涙(具体名詞)手厚い(名詞以外の抽象度が高い単語)種類(抽象名詞)油(具体名詞)白々しい(名詞以外の抽象度が高い単語)生活(抽象名詞)草(具体名詞)華やか(名詞以外の抽象度が高い単語)全体(抽象名詞)母(具体名詞)中心(抽象名詞)病院(具体名詞)いっそ(名詞以外の抽象度が高い単語)心配(抽象名詞)
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