研究課題/領域番号 |
21K02739
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
北澤 武 東京学芸大学, 教育学研究科, 教授 (80453033)
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研究分担者 |
森本 康彦 東京学芸大学, ICTセンター, 教授 (10387532)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 構成主義的教授・学習観 / ハイブリット型授業 / ICT活用指導力 / 教員養成 / 教員研修 |
研究実績の概要 |
文部科学省のGIGAスクール構想の実現を背景に,児童生徒1人1台タブレット端末を所持した学校内外でのハイブリット型の教育が期待されるものの,教員の授業力向上が課題となっている.そのためには,教員の構成主義的教授・学習観を高めながら個々人の課題を明らかにし,教員全体のハイブリット型授業力を高めるプログラムを開発することが必要である.そこで本申請課題は,教員の構成主義的教授・学習観に着目しながら,教員養成系大学の学生や現職教員の特性にあったハイブリット型授業力向上プログラムを開発・実践・評価することを目的とする.具体的には,①教員の構成主義的教授・学習観の傾向を明らかにすることで,教員の教授・学習観に応じた教員の授業力向上のための課題との関係を明確にする.次に,②教員の教授・学習観に基づく教員自身の目標設定の在り方と教員養成や教員研修の開発と評価を行うことで,教員の構成主義的教授・学習観を高めながらハイブリット型授業力向上のための教員養成プログラムを提言する. 2022年度は,2021年度と同様に,児童生徒1人1台端末が導入された小中学校を対象に,教員の構成主義的教授・学習観に関する尺度を実施した.そして,その関連を分析した結果,「児童生徒が既に知っている知識・技能とこれから習う知識・技能の両方を使い、端末を活用しながら問題解決する問いを設定するようにしている」の項目と,構成主義的教授・学習観に正の弱い相関関係が認められた(r =.305, p<.01).この結果から,授業における問いの設定を意識することと学習者中心の考え方である構成主義的教授・学習観は双方に影響しあっていることが分かった。つまり,教師の学習者中心の考え方を促すためには, 例えば,授業における問いの設定を個々の教員に考えさせながら、学校全体で共有していくことが重要であることが示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度に予定されていた質問紙調査,分析,学会発表が実施できたため.
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は,2022年度の研究結果を踏まえ,対象校や教員,実践を追加しながら質問紙調査や1人1台端末を活用した授業実践,評価を継続的に行う.得られた成果について,国内外の学会で報告する.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルスの影響により,旅費の使用が抑えられたため.
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