研究課題/領域番号 |
21K02768
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
梅津 信幸 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 准教授 (30312771)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 編集距離 / Louvain法 / トークン列 / 3次元的可視化 |
研究実績の概要 |
2年目は、主として下記の項目に取り組んだ。 (2A) 時系列的可視化の改良 提出されたソースコード間の関連について、その時系列の変化が把握しやすいよう、3次元化とアニメーション化により表示を改良した。加えて、当初は類似度の可視化と提出物のソースコードの確認が別のウインドウに表示されて作業に手間がかかったため、それらを統合して効率化を図った。 (2B) 実際の授業におけるレポート採点作業での試用 前年度までで提案手法を実際の講義でのレポート採点に利用する基礎部分が完成したため、2年目の講義での採点支援に部分的に試用した。一部のデータ変換作業などに自動化が未達成な部分があり、今後はより効率的な利用を目指す。また、他の教員やTAによる従来の採点結果と、本システムを用いた場合の採点結果を比較し、その一致率や作業効率について評価する作業は、複数人での採点基準の明文化(特に部分点の一貫した与え方)に日数を要し、比較的単純なレポート課題について、部分的に実行したにとどまった。 (2C) 論文投稿の準備 手法の開発は所要部分が完成し、学術論文雑誌および国際会議での発表に備えて、実験にて各種の数値データ(作業時間、採点結果の一致率・分散、類似するソースコードのペアの発見数など)を蓄積した。 (2D) プログラム(ソースコード)の表示の改良 文法に基づいて着色する機能(シンタックスハイライト)により、提案システムで類似度が高いと判定された複数のプログラム間の詳細な比較が容易になった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画していた項目(2A)から(2C)の達成に加え、追加で項目(2D)についても前倒しで達成したため。 ただし、(2B)については一部、3年目での完了を見込んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は下記の3項目を中心に研究を進める。 (3A) レポート課題提出用のサーバの構築 大学全体で利用している LMS(学習管理システム)では一つの課題に対しては一度しか提出できないため、本研究に用いる提出サーバを独自に準備する。これにより、サーバ上で 24 時間、レポートの採点が部分的に自動化できるうえ、同じ課題の複数回の提出内容を比較し、学生の学習の進捗が把握できる。学習に関するデータであることから、セキュリティ面には十二分に留意する。 (3B) 単一課題への複数回の提出からの情報抽出 提出の曜日・時間帯や各回ごとの差分から学生ごとの学習の特徴を抽出する。前回の提出から差分が特に大きい場合に、他のソース(受講生、ネット、生成系AI)を参照した可能性があることを検知し、人手による詳細な分析へとつなげる。 (3C) 報告書の作成および成果公開 教育工学に関連する学術論文誌に投稿するともに、国際会議(IEEE GCCEなど)への参加により、成果の積極的な公開を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
感染症対策に鑑み、計画していた海外での学会発表等を最終年度に繰り越したため残額が生じた。次年度はデータ集計用にのワークステーションPCの追加購入に加え、下記項目での使用を計画している。 ・国際会議での成果発表のための旅費(アメリカ2024年1月 IEEE AIXVR、国内2023年10月 IEEE GCCE) ・学術雑誌投稿料(Educational Sciences誌など)
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