研究課題/領域番号 |
21K02769
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研究機関 | 筑波技術大学 |
研究代表者 |
井口 正樹 筑波技術大学, 保健科学部, 准教授 (20637087)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 理学療法教育 / 視覚障害 |
研究実績の概要 |
本研究は「理学療法学専攻の視覚障害学生に対するフィードバック技術の教育への応用に関する研究」という課題名で実施している。該当年度は筋電センサから得られた筋活動を音へ変換するシステムを実験可能な程度にまで完成させ、視覚障害者に対して実際にセンサを貼付し、意見を尋ねた。 歩行には多くの筋群が関与しており、またその収縮タイミングや収縮の程度もさまざまである。そのため、教科書などに掲載されている歩行動作中の筋活動を示すグラフは複雑になる傾向がある。そのため、筋活動を音に変換することで、歩行しながら自身の歩行と照らし合わせながら確認できる。 得られた意見としては、不自由な視覚に頼ることなく、音として聞こえてくる筋活動と、自身の歩行の両方に意識を向けることができるため良い、というものであった。音へ変換する前に若干の処理が必要である。この処理に必要な変数を現在、調節中である。 健常者の歩行でも若干の個人差が存在し、それに適応させることが必要になりうる。 今後は更に多くの視覚障碍者の協力を得て、より多くの意見を集め、システムを改善していく予定である。 超高齢化社会を迎え、医学的リハビリテーションの一翼を担う理学療法士への期待はますます高まっている。そして、理学療法士は視覚障碍者に開かれた数少ない職業である。歩行は理学療法士にとって最も基本的な学習すべき基本動作である。その歩行時の筋活動を学生の段階で確実に学習することは非常に重要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の予定よりも、音へ変換する前の処理方法に時間を要している。この処理を適切に行わないと、歩行中にリアルタイムで聞こえてくる音に違和感を感じるので、処理方法の設定を慎重に行っている。
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今後の研究の推進方策 |
現在、実験可能なシステムが完成しているので、今後は更に多くの視覚障害を有する理学療法学生を対象に実際にシステムを試してもらい、より多くの意見を集め、システムの改善を行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の進行状況がやや遅れているため、予算執行もそれに伴い、遅れている。今後は被験者への謝金にゃ消耗品の購入などに予算を使用予定である。
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