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2022 年度 実施状況報告書

オーセンティック環境でのものづくりの学びによる持続可能社会構築のための理論と実践

研究課題

研究課題/領域番号 21K02812
研究機関中京大学

研究代表者

宮田 義郎  中京大学, 工学部, 教授 (00239419)

研究分担者 南部 美砂子  公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 准教授 (10404807)
上芝 智裕  中京大学, 工学部, 准教授 (30340186)
亀井 美穂子  椙山女学園大学, 文化情報学部, 准教授 (40410609)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードLDP
研究実績の概要

バンコクとコラボした廃棄食品の堆肥化では、微生物を扱う人が境界を超えて共生していく事が観察された。AIなどによる道具の情報化による、道具と使う人の間の境界、社会の大規模化とグローバル化に伴う、生産者と消費者の間の境界によって、創造性が抑制されており、もの作りの実践では、使えるもの境界や出来ることの境界の曖昧化により創造性が働くことが観察された。
ものづくりや共創コミュニティでのフィールド分析では.(1) 異なるジェンダーを演じる対話のデザインで,個人内の境界とプレイヤー間の境界を越えて新たな関係性が構築され,男性/女性の二元論を超越した新たなジェンダー像の「集合的創造」の可能性を開いた.(2) メディアアーティスト・家具職人・情報デザイナーによるもの作りでは,それぞれの思いを共通基盤とし,関係性を動的に変化させながら,利他的に発達していく「活動構成型デザイン」の実践モデルが見いだされた.
多様なワークショップを提供する企画者が学び合う2回の「あいちワークショップギャザリング(AWG)」での観察とインタビューにより、対面イベントの中でのオンライン出展者を支援する立場にとって試行錯誤や問題解決の場、また出展者同士の学び合いを促す可能性が示唆された。また、オンライン出展と他の出展者との情報共有の有効性を指摘した。
ヴォイスギャラリー(京都)における展覧会「our code」の企画制作と、大阪関西国際芸術祭アートフェアにおいて、幸村真佐男によるCTGの初期CG作品と、鈴木昭男の身体性に基づいたドローイングを中心に出展し、創造的活動においてコンピュータや情報技術が果たす役割と身体性の関係を考察した。音とグラフィックの関係を探るプロジェクトphono/graphでは、2度の勉強会を経て、streaming heritage 2022 ストリーミング・ヘリテージ|台地と海のあいだに出展した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

Covid-19の影響により、グローバルな実践が困難となっていた。特にWorld Peace Song Projectは、参加パートナーによる合唱が困難だったためほとんど活動できなかった。計画していたエジプトでの農村支援も実現していない。
あいちワークショップギャザリングでは、複数の出展者が集まることで、参加者の多様な興味・想像力を引き出す学び、多様な背景を持つ企画者同士の学び合い、そしてそれらを地域社会ともつなぐ運営者のメタな視点の学びを目指し、参加者、企画者、運営者そして地域で、持続的関係構築を行ってきた。また、2022年12月に岐阜ワークショップギャザリングに出展するなど、他地域でのワークショップ兼交流会で学生が出展する支援が実現している。しかし、交流が東海地域に限定される傾向にあった

今後の研究の推進方策

宮田は、World Youth Meeting 2023 では再びバンコクとのコラボによる食資源循環プロジェクトのプレゼンと映像制作を行う。9月上旬日本認知科学会大会で堆肥化プロジェクトにおける実践と理論的発展について発表する。南部は、日本認知科学会第40回大会(2023年9月)において発表予定.(2)の一部は,第70回日本デザイン学会(2023年6月)でも発表予定。亀井と宮田のあいちワークショップギャザリングでは、前年度の試みを受け、次年度オンラインで参加したいとする出展者も出てきており、複数ワークショップにおける対面出展とオンライン出展の境界を超えて、地域間をつなぐ運営デザインを明らかにしていく。上芝は、2022年度末に実施したアートプロジェクト, カンブリアンゲームの実践を通じて、芸術作品制作過程における生成AIの効果について考察し、5月上旬、鳥取のローカル実践プロジェクトであるホスピテイルプロジェクト主催のパブリックトーク「知るのつくりかた #7」に登壇し発表した。昨年に引き続き9月にヴォイスギャラリーにおいて「our code」の続編にあたる展覧会を実施予定である。
宮田と上芝は、9月中旬にはヴェネチアでの国際学会Re:Sourceにおいて、メディアアートにおけるミクロとマクロの境界についての実践と理論的発展について発表。下旬にはエジプトの農村支援と合わせ、世界各国で活動が再開しているWorld Peace Song Projectのグローバルなライブイベントを開催予定。
以上のような各地域での実践を、6月のデザイン学会(東京)、9月の認知科学会(函館)と国際学会Re:Source(イタリア)において共有し、統合するための議論を進める。

次年度使用額が生じた理由

COVID-19の影響で多くの国際学会と一部の国内学会が開催されなかったりオンライン開催になったために、旅費の支出がほとんどできなかったために、次年度使用額が生じた。次年度は、国際学会ではイタリアでの国際学会Re:Source、エジプトでのWorld Peace Song Projectのライブイベントや農村支援などの活動を、国内では6月に東京でデザイン学会大会、9月には函館での日本認知科学会での発表および研究会を予定している。

備考

World Museum Projectは、世界各国の教育関係者のネットワークにより、各国の子どもたちのコラボレーションの成果を共有している。その一つのプロジェクトであるWorld Peace Song Projectは、世界各国の言語によって平和を歌う歌詞を制作し歌った録音をWorld Peace Song Map 上で組み合わせ、グローバルな合唱を構成することができる。

  • 研究成果

    (15件)

すべて 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 備考 (2件)

  • [国際共同研究] DSIL(タイ)

    • 国名
      タイ
    • 外国機関名
      DSIL
  • [雑誌論文] 創造性の社会的意味2022

    • 著者名/発表者名
      宮田 義郎、鈴木 真帆
    • 雑誌名

      認知科学

      巻: 29 ページ: 281~284

    • DOI

      10.11225/cs.2022.014

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 日常と社会をつなぐ「やって・みて・わかる」不用品を活用したものづくり、2022

    • 著者名/発表者名
      宮田義郎、鈴木真帆
    • 学会等名
      日本デザイン学会第69 回春季研究発表大会
  • [学会発表] 持続可能社会と創造性2022

    • 著者名/発表者名
      宮田義郎、鈴木真帆
    • 学会等名
      日本認知科学会第39回大会
  • [学会発表] No Boundary for Creativity ~ two stories of the usable and the doable2022

    • 著者名/発表者名
      Yoshiro Miyata, Maho Suzuki, Tomohiro Ueshiba, Alex Ho
    • 学会等名
      Thai Constructionism Forum 2022
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] まちの記憶を描き、眺め、語り継ぐ社会的デザイン実践2022

    • 著者名/発表者名
      横溝賢、鈴木葵、宮田義郎、原田泰
    • 学会等名
      日本認知科学会第39回大会
  • [学会発表] No Boundary for Authentic Learning through Everyday Creativity2022

    • 著者名/発表者名
      Yoshiro Miyata, Maho Suzuki
    • 学会等名
      International Conference for Media in Education 2022
    • 国際学会
  • [学会発表] 微生物と発酵が地域の人と資源をつなぐ2022

    • 著者名/発表者名
      Gabriel Rusk、淺川仁都、宮田義郎
    • 学会等名
      日本デザイン学会第3支部研究発表会
  • [学会発表] タイと日本のオンライン連携による学校食ロスプロジェクト2022

    • 著者名/発表者名
      ガブリエル・ラスク、中村友香、宮田義郎
    • 学会等名
      日本教育メディア学会 第29回年次大会
  • [学会発表] オンラインを併用したワークショップの協同出展における学び2022

    • 著者名/発表者名
      亀井、山口、宮下、他2名
    • 学会等名
      日本教育メディア学会 第29回年次大会
  • [学会発表] アートフェア出展2022

    • 著者名/発表者名
      上芝智裕
    • 学会等名
      大阪関西国際芸術祭
  • [学会発表] 展覧会「our code」(2022年9月)の企画制作2022

    • 著者名/発表者名
      上芝智裕
    • 学会等名
      ヴォイスギャラリー(京都)
  • [学会発表] 台地と海のあいだに出展2022

    • 著者名/発表者名
      上芝智裕
    • 学会等名
      streaming heritage 2022 ストリーミング・ヘリテージ
  • [備考] World Peace Song Map

    • URL

      http://wmuseum.hiroba.sist.chukyo-u.ac.jp/maps/peaceSong2018/

  • [備考] World Museum Project

    • URL

      http://wmuseum.weebly.com/

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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