研究課題/領域番号 |
21K02813
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研究機関 | 鈴鹿大学 |
研究代表者 |
小川 真由子 鈴鹿大学, こども教育学部, 准教授 (70736389)
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研究分担者 |
福田 博美 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (90299644)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 臨床判断 / シミュレーション教育 / 遠隔授業 / 教育効果 / プログラム開発 / COVID-19 |
研究実績の概要 |
近年教育現場において、『命を守るための看護力』が必要とされている。緊急時の対応には、専門的な知識や技術だけでなくそれらを統合した『臨床判断能力』が必要とされる。これまで研究代表者らが提案してきたシミュレーション教育のプログラム(JSPS科研費JP18K02842)では、その効果が認められ、高機能シミュレータを用いることで実践力を身につけることができることがわかった。また、シミュレーション教育を実施するための費用・時間・マンパワーの不足などの課題も明らかとなり、これらの課題は、遠隔授業のプログラムを構築することで克服することが可能である。情報化社会に対応できる教育方法の普及にもつながり、同時にコロナ禍における教育方法の変革にも寄与することができると考える。そこで本研究では、教育効果の高い遠隔授業方法の開発を目指し、臨床判断能力を培うシミュレーション教育の遠隔授業プログラムの構築を目的とする。 初年度では、遠隔授業に関する調査報告を分析し、その実態を明らかにすることを目指す予定であった。調査として、養護教諭の救急処置の場面における臨床判断能力の向上を目指したシミュレーション教育の反復学習の効果と、COVID-19の流行による学校現場でのバイタルサインの測定器具の変化についても論文にまとめた。学会発表としては、女子中学生の電子機器の使用について調査し、性行動との関連を発表した。これらを今後遠隔授業へ転換させ、そのプログラムの構築を目指したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度である2022年度では、遠隔授業に関する文献検討を行う予定であった。しかしながら、COVID-19の蔓延による緊急事態宣言などによる影響で、教育現場への調査が実施できていない状況である。さらに、COVID-19の影響で、研究者らの本務の負担増加(大学業務における臨地実習の度重なる変更への対応や、対面授業と遠隔授業のハイブリッド授業への準備、学生指導、その他)などがあり、予定していた本研究へのエフォート割合が低下してしまった。また、研究代表者の所属変更などによる事情も加わり、計画推進のための共同作業などに遅れが生じている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
今後の予定として、遅れている教育現場への遠隔授業に関する調査を実施し、遠隔授業の教育効果のメリットやデメリットについて把握するとともに、教育現場における困りごとを洗い出すことで、課題を考察していく。それと並行して、これまでに報告されている遠隔授業における研究報告などについて文献検討を行うことで、現状の把握と課題を見出し、それらを統合した遠隔授業プログラムの作成を進めたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度予定していた学校現場への調査が実施できなかったことや、参加予定学会がオンラインであったこと、共同研究者との対面での打ち合わせなどができなかったことなどから、旅費の支出がなかった。この項目については、次年度以降の予定に繰り越したい。 また、研究代表者が2022年度に所属大学が変更となることで、物品費に関しては、新たな研究場所での購入設置に備えたいとして、次年度以降に繰り越した。
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