研究課題/領域番号 |
21K02815
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
河野 和宏 関西大学, 社会安全学部, 准教授 (60581238)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 情報セキュリティ / 情報モラル / 情報リテラシー / 学習ツール / 体験ゲーム / アナログゲーム / 金融リテラシー / 金銭リテラシー |
研究実績の概要 |
2022年度も,前年度に引き続き情報セキュリティ学習・教育ツールを複数開発したが,大きな違いは,これまで個別に開発してきたことを,同じ被験者に対象に実験したり,公開することを踏まえて開発者を除いて運用した際に問題がないか検証したりするなどしたことであり,本年度は,情報セキュリティ教育におけるゲームの利用可能性を追求した. 具体的には,すごろくをもとに開発した「セキュリティライフゲーム」,フラックスと呼ばれるゲームをもとにした「セキュリティフラックス」,水平思考ゲームをもとにした「I Think」の3種類の異なるアナログゲームを対象に検証を実施した.どのゲームにおいても,ゲームがもたらす興味関心や好奇心の喚起が確認され,最初の学習の入り口にゲームを利用することの有効性が確認された.一方で,セキュリティライフゲーム以外は難しいといった意見が見られ,老若男女問わずゲーム性を事前に知っているすごろく以外は,単純なルールであっても受け手がゲームを知らなければ,ルールの理解で一定の,かつ無視できないハードルがあることがわかった.セキュリティライフゲームにクイズや協力問題を入れ,コミュニケーション性を高めつつ,よりテーマを絞った学習ができる形態に改良しても,ゲームの楽しさへの評価は変わらなかったということもあり,体験者のゲームへの理解度に応じて使い分ける必要性があることが確認された.こうした結果を一つの研究成果として,2023年1月に開催された暗号と情報セキュリティシンポジウム(SCIS2023)にて報告した. そのほか,これまでの開発で得られた様々な分野の知見をもとに,近年の高校生以下において重要視される金融・金銭リテラシー教育に応用し,すごろく式金融教育ボードゲームやワンナイト人狼をモチーフとした投資詐欺防止学習ゲームなど,金融・金銭リテラシーを学ぶさまざまなゲームを開発した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度は,開発したゲームの検証および新た分野(金融)における利用の検討を実施した.交付申請書には,こうした各種学習・教育ツールの開発と,ユーザが情報リテラシー・モラル学習に追い求めるものを整理し教育者視点ではなくユーザ視点に基づいた学習ツールの設計を挙げていた.前者は,さまざまなツールの開発が行われており,予定通りといえるが,後者はまだユーザ視点からの論点の洗い出しやアンケートの作成等に時間がかかっている段階である.そのため,後者の分析および設計が十分に進んでいないことから,やや遅れていると判断している.
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今後の研究の推進方策 |
交付申請書に記載した通り,各種教育理論に則った新たな学習ツールの開発,これまでに開発したツールの教育効果の測定や,結果に基づく改善を一層はかっていく予定である.さらに,ユーザ視点に則ったツールの設計を速やかに実施したうえで,その設計案に基づくあらたな学習ツールの開発を実施する予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の影響により,対面で参加予定の学会・研究会・大会の一部がオンラインになってしまったため. 使用計画:2023年度は対面での開催が多くなること,開催が見送られていた研究会・大会の開催が見込まれることから,未執行分はその費用に充てる予定である.
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備考 |
HPにて概要を公開中であるが,これらの研究成果は,研究会にてあらためて報告する予定である.なお,1つ目のタイトルのみ,50字制限のため,公開タイトルの後半部分のみ記載している.
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