研究課題/領域番号 |
21K02821
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研究機関 | 神戸市立工業高等専門学校 |
研究代表者 |
早稲田 一嘉 神戸市立工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (20390479)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | トポロジー最適化 / アディティブマニファクチャリング / DX(デジタルトランスフォーメーション) |
研究実績の概要 |
科学研究費助成事業申請書の「補助事業期間中の研究実施計画」に基づき、「トポロジー最適化をオープンソースで実現し加工するまでの手順」を記した教材(初版)を作成した。この教材を導入する予定であった5年生開講科目「CAE演習」の情報機器の環境を構築した。教材開発と並行して、小中学生向けの3次元造形を体験する公開講座のための教材を作成し、2021年夏季休業中に公開講座を実施した(コロナ禍であることと気象警報(暴風・大雨)により今夏に関しては、講座参加者数は予定人数よりも少なかった)。 当初、教材開発は5年生開講科目の「CAE演習」のみでの使用を予定していたが、モデリングや境界条件設定などを予めテンプレートの形で提供する簡易版の教材を新たに作成し、2年生の機械実習における3DプリントやCNC加工機を体験するワークショップでもトポロジー最適化を体験可能な教育の導入のための準備をした。これらの授業や講座の実施のために3Dプリンタや計算速度の速いパソコンの購入をし3Dプリンタを動作させるための設定を実施した。 本課題に関連する発表として、日本機械学会 2021年度年次大会、日本工学教育協会 第69回年次大会・工学教育研究講演会、日本機械学会 技術と社会部門講演会 2021年度講演会で口頭発表をした。また、間接的な研究内容の発表として、2021年度神戸高専産金学官技術フォーラム、日本設計工学会 関西支部 令和3年度研究発表講演会(学生優秀発表賞受賞)にて指導している学生が口頭発表をした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍による、緊急事態宣言やまん延防止処置のため、特に以下の3点の進捗が遅れた。 (1)神戸高専設置のパソコンに初期設定を済ませ「CAE演習」にてトポロジー最適化の授業を実施予定であったが、緊急事態宣言によりオンライン授業となったため、授業実施を断念した(設定にはある程度のパソコンの知識が必要なため、オンラインにて受講生全員に対して所持するPCに設定をすることができなかった。教育機会の平等性からオンラインでの学生のトポロジー最適化の操作は断念し、教員によるデモンストレーション実施にとどめた。) (2)小中学生向けに公開講座を準備し、実施したが、計画していた日程において緊急事態宣言および気象警報が発令され全学的に外部向けイベントが中止されたため、予定していた参加者数に満たなかった (3)半導体不足により、3D描画や一部の計算に用いるGPUの価格が高騰し、PC購入数を予定よりも減らさなければならなくなった。また、3Dプリンタも当初予定よりも購入が遅れた。 教材開発については概ね予定通りであるが、教育効果を確認するための教材を適用した教育およびアンケート実施に支障がでている。
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今後の研究の推進方策 |
3Dプリンタの設置台数を増やし、その使用回数は増加しているものの、3Dプリンティングならではの造形を試みる学生は少ない。これは、トポロジー最適化などの手法を学生らが知らないことが大きく起因しており、「現在までの進捗状況」欄にも記したが、教育効果を確認するための教材を適用した教育の実施が遅れたことも影響していると考える。教材開発については概ね予定通りであるため、今後の研究推進については (1)5年生開講科目の「CAE演習」で開発した教材を使用し、学生にアンケートを取り教育効果のデータ取得を試みる。 (2)当初予定にはなかった2年生の機械実習における3DプリントやCNC加工機を体験するワークショップでのトポロジー最適化体験を導入し、教育を受ける学生数を増やす。合わせて学生にアンケートを取り教育効果のデータ取得を試みる。 (3)小中学生向け公開講座においても、トポロジー最適化体験の導入を検討し、次世代のエンジニア発掘やデジタルなものづくりへの関心をもつ子どもらの数を増やすことを試みる。合わせて公開講座参加者にアンケートを取り教育効果のデータ取得を試みる。 特に(2)(3)は研究計画では予定していなかった試みで、実現できれば昨年度の進捗の遅れを取り戻す対応策となりうると考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
「現在までの進捗状況」にも記載したが、半導体不足により、3D描画や一部の計算に用いるGPUの価格が高騰し、PC購入数を意図的に予定よりも減らした。半導体の価格変動は予測できないものの供給量が安定してくれば価格が下がると予想され、予定のPC購入が可能になると考える。また、3Dプリンタはまだ発展途上の機器で年を追うごとに性能が上がり価格が下がる傾向にあるため、本研究課題の補助事業期間の中で可能な限り遅らせて購入したほうが研究遂行には都合がよいと考える。
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備考 |
Webページに関して(3)は今年度の情報に更新され閲覧できなくなる(4)は残る予定。(4)に表記の日付は当初予定日時で実際には(2)の記事に記した日時で実施した。
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