本研究は操船シミュレータ実験を主とした実験研究から視覚情報および生体データを 用いたシミュレータ教育訓練のリアルタイムでの指導・評価の手法開発を行うことを目的としており、2021年度は操船シナリオの検討を含む各操船イベントと評価指標の応答特性の関係を検討する実験計画である。 操船シナリオの検討としては、海上衝突予防法を考慮した2体問題を基本とした。そして、操船イベント(見張り、避航、変針、速力逓減など)と評価指標である視線、心拍変動、唾液(コルチゾール)についての応答を確認し、それぞれの指標が操船者の認知・判断及び行動の関係を考察するためのデータとして有効であることを確認した。 しかし、特に唾液、深部体温についてはCOVID-19対応からデータ数をあまり獲得することはできず、さらなるデータの蓄積を必要とすることが課題となった。
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