本研究では,AIやIoTなどの技術,蓄積したビックデータの活用を体系的に学ぶため,地域に根ざした題材を初等・中等教育を通した一貫した題材とする。その題材を通して最新の情報技術としてIoT技術,観測したデータを分析する利用技術,観測したデータに基づいて課題解決を行うAI等を,初等・中等教育における 各教科間で連携して学ぶ教育カリキュラムと教材の開発を行っている。3年次目の研究実績としては,2年次までの実績を踏まえて,以下の点について研究を行った。 1)実践協力中学校において情報技術の視点,問題解決の視点を踏まえてAIリテラシーを修得することを目的とした生成AIを活用した技術領域の教材を新たに開発すると共に,それを用いた各学習段階における評価方法の開発および「主体的な学習に取り組む態度」を育成する指導法について検討を行った。 2)またこれまでの研究データを検討の結果,初等・中等教育におけるコンピューティグ教育は,体系的なアルゴリズム教育としてとらえることで,アルゴリズムの構成法およびアルゴリズム間の関連性に着目したアルゴリズムの体系化を行い,迷路を解く問題を題材としてアルゴリズムを体系的に学ぶ事ができる教材の開発を行った。開発した教材は,スモールステップ,デバッグ,シミュレーションの三つの特徴を有するものであり「主体的な学習に取り組む態度」を育てる可能性が示唆された。 3)3D没入型コミュニケーションツールに適した,指導者研修のための映像コンテンツおよびテキスト・ワークシートを開発し有用性の検証を行った。さらに生成AIを活用した教員研修のサポートの可能性について評価を行った。 これらの研究成果の一部は学会等で発表すると共に,教育課課程外での実践評価と小学校および中学校での実践を通して活用するなど,社会への還元を積極的に行った。
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