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2021 年度 実施状況報告書

知的障害特別支援学校におけるプログラミング教育の実践的検討と普及促進に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K02828
研究機関富山大学

研究代表者

水内 豊和  富山大学, 学術研究部教育学系, 准教授 (30372478)

研究分担者 山西 潤一  富山大学, 人間発達科学部, 名誉教授 (20158249)
齋藤 大地  宇都宮大学, 共同教育学部, 助教 (20878433)
和田 充紀  富山大学, 学術研究部教育学系, 准教授 (50756913)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードプログラミング教育 / ICT / GIGAスクール / 知的障害 / 特別支援教育 / 特別支援学校 / 特別支援学級
研究実績の概要

2020年度から実施された学習指導要領により、小学校のみならず、小学校特別支援学級、特別支援学校小学部においてもプログラミング教育が取り組むべきこととして位置付けられた。しかし知的障害児を対象とした教育実践は未だ少なく、教育内容や方法、そして効果に関する検証は現状では十分ではない。そのため、具体的実践の積み上げと普及が望まれる(水内,2019)。
2021年度は、全国の特別支援学校・学級教諭等協力者と共に、知的障害のある児童生徒への「教科」の学びを深めるためのプログラミング教育のあり方に焦点化した実践を各地で行い、その成果の一部を日本特殊教育学会第59回大会自主シンポジウムにて報告した。またプログラミング教育実践の普及のため、教育実践30編と理論的解説から成る『新時代を生きる力を育む知的・発達障害のある子のプログラミング教育実践2』をまとめ刊行した。併せてSNSによる情報発信と交流の場として特別支援教育に携わる教員限定のFacebookグループ『新時代を生きる力を育む知的・発達障害のある子どものICT活用を語ろう・実践しよう!!』を管理・運営し、プログラミング教育を含めたGIGAスクール構想実現のためのICT活用に関する情報を、全国の教員と共有した。さらに、児童生徒のプログラミング作品の発信の場として「夏休みチャレンジ企画 ワクワク!!デジタル作品コンテスト2021―ICTでこの子らを世の光に!―」を企画し、Web上で児童生徒の作品を募集し、全国の教員による評価と作品の供覧を行った。
このように、プログラミング教育実践の普及啓発において一定の成果を挙げることができた。
なお2021年度はコロナ禍がまだ収束する兆しも見えなかったこともあり、当初予定していた海外の教育現場視察や国際学会発表は実施することはできなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2021年度は、オンラインという形で、学会発表やそのための打ち合わせ、プログラミング作品コンテストなどを進めることができたが、このような取り組みで使用したり築いてきた枠組みは、withコロナ時代の教育・支援のあり方として有効であることも確認できた。
ただし、2021年度は同時に、コロナ禍がまだ収束する兆しも見えなかったこともあり、当初予定していた海外の教育現場視察や国際学会発表は実施することはできなかった。

今後の研究の推進方策

2020年度の学習指導要領において取り組まれるべきことと位置付けられた小学校段階(特別支援学級・学校含む)でのプログラミング教育は、本研究課題を申請したときに予測していた教育環境や社会状況と異なり、2021年度から急速に推し進められたGIGAスクール構想実現に基づく環境整備が優先させたため、特に特別支援教育の現場ではプログラミング教育への着目と実施へのプライオリティが下がった感がある。今後、まずは一人一台端末となった状況の中で、プログラミング教育に限るのではなく、さまざまな教育活動においてICTを有効に活用されることが定着することを待たなければならないかもしれない。2022年度は、そうした環境整備がやや落ち着いてきた中で、あらためてプログラミング教育が、知的障害のある児童生徒のための各教科や領域の指導の中にあって、どのように展開できるのか、また児童生徒の認知面、社会性面、行動面などにどのように有効に寄与するのかなどについて、ていねいな実践の積み重ねと成果の検証、そしてその啓発普及を図る必要がある。引き続き、有益な実践と効果検証について進めていく。

次年度使用額が生じた理由

年度末までに使用計画通りできなかったため。翌年度に繰り越して適切に使用する予定。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (5件) 図書 (4件)

  • [雑誌論文] 知的障害特別支援学校小学部と高校における遠隔による交流及び共同学習の実践2021

    • 著者名/発表者名
      山崎 智仁、伊藤 美和、水内 豊和
    • 雑誌名

      日本教育工学会論文誌

      巻: 45 ページ: 41~44

    • DOI

      10.15077/jjet.S45026

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 知的障害特別支援学校におけるプログラミング活動を取り入れた道徳教育の実践―生命の尊さをテーマとした食育の学びから―2021

    • 著者名/発表者名
      山崎智仁・伊藤美和・水内豊和
    • 雑誌名

      富山大学人間発達科学部紀要

      巻: 16(1) ページ: 37-42

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 知的障害特別支援学校における 教育ICT 環境を活用した情報活用能力の育成と効果検証2022

    • 著者名/発表者名
      山崎智仁・水内豊和
    • 学会等名
      北陸3県教育工学研究会
  • [学会発表] 知的障害児に対するASMR動画を活用した国語科の指導2022

    • 著者名/発表者名
      山崎智仁・水内豊和
    • 学会等名
      日本教育情報学会特別支援教育AT 研究会2022
  • [学会発表] 新時代を生きる力を育む知的・発達障害のある子のプログラミング教育実践―小学部・小学校における知的障害児の教科の学びを豊かにするために―2021

    • 著者名/発表者名
      水内豊和・鈴木俊介・東森清仁・北村満・齋藤大地・青木高光
    • 学会等名
      日本特殊教育学会第59回大会
  • [学会発表] 特別支援教育分野におけるICT・プログラミング教育普及拡大に向けたオンライン活動20212021

    • 著者名/発表者名
      水内豊和・青木高光・海老沢穣・加藤章芳・金森克浩・後藤匡敬・齋藤大地・東森清仁・樋井一宏・藤田武士・山崎智仁・山口飛・和久田高之・伊藤 美和
    • 学会等名
      第47回全日本日本教育工学研究協議会全国大会
  • [学会発表] 教育 ICT 環境の活用における情報活用能力の育成と効果検証 ―1 人 1 台端末と Google Workspace for Education の活用―2021

    • 著者名/発表者名
      山崎智仁・伊藤美和・水内 豊和
    • 学会等名
      第47回全日本日本教育工学研究協議会全国大会
  • [図書] ICT活用の理論と実践2021

    • 著者名/発表者名
      稲垣 忠、佐藤 和紀、堀田 龍也、宇治橋 祐之、森下 孟、水内 豊和、八木澤 史子、北澤 武、堀田 博史、中尾 教子、三井 一希、登本 洋子、泰山 裕
    • 総ページ数
      184
    • 出版者
      北大路書房
    • ISBN
      4762831808
  • [図書] 知的障害のある子への「プログラミング教育」にチャレンジ!2021

    • 著者名/発表者名
      水内豊和、山崎智仁
    • 総ページ数
      160
    • 出版者
      明治図書出版
    • ISBN
      4184074219
  • [図書] 知的・発達障害のある子のプログラミング教育実践22021

    • 著者名/発表者名
      金森 克浩、水内 豊和、齋藤 大地
    • 総ページ数
      190
    • 出版者
      ジアース教育新社
    • ISBN
      4863715978
  • [図書] ICT×特別支援 GIGAスクールに対応したタブレット活用 小・中・高等学校・特別支援学校2021

    • 著者名/発表者名
      特別支援教育の実践研究会
    • 総ページ数
      96
    • 出版者
      明治図書出版
    • ISBN
      418442919X

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公開日: 2022-12-28  

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