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2023 年度 実施状況報告書

教員養成におけるICT活用教育に対する信念の変容とICT活用指導力の育成

研究課題

研究課題/領域番号 21K02830
研究機関信州大学

研究代表者

森下 孟  信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (70642528)

研究分担者 島田 英昭  信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (20467195)
谷塚 光典  信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (30323231)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード動画教材 / 教員養成学部生 / 非同期型授業 / 興味・関心 / ICT活用教育
研究実績の概要

本研究では,教員養成学部生はICTを活用した教育活動に負の信念を抱いており,ICT活用指導力育成の阻害要因となっていることに対して,①ICTを活用した教育活動に対する信念が「いつ」「どこで」「どのような」経験を経て形成されるのか,②ICTを活用した教育活動に対して積極的な信念を持たせるためにはどのような教育方法が必要であるかを明らかにすることが目的である。
積極的な信念を持たせるための手法として非同期型動画教材の活用に着目し,学習者の興味・関心を引き出すための働きかけに関する分析を行った。学習者の興味・関心を引き出すためにキーワードを列挙した板書の作成や,授業者が顔出しで説明をしつつ問いかけを行うことが有効であることを示唆した。動画教材において情報が一目で整理でき,それらをきっかけに授業者が発問を行うことが学習者の興味・関心を引き出すために重要である可能性が高い。また,動画教材が単なる教材としての役割だけでなく,対面授業における教師の役割も同時に果たせるように働きかけを施すことが重要であることがわかった。
一方で,比喩表現や身振り手振りなど学習者の興味・関心に負の影響を与えていた働きかけもみられた。したがって,学習者の興味・関心を引き出すために,動画教材の作成時に教材・教師として両面の役割を意図的に施すことが重要である。これを踏まえ,ICTを活用した教育活動に対して,ネガティブな経験を受けてきた小中学校時代の教育観を書き換え,これからの時代を生きる子ども達に必要な資質・能力の育成に欠くことができないことを強調していくことが有用であると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の目的は2点である。①ICTを活用した教育活動に対する信念が「いつ」「どこで」「どのような」経験を経て形成されるのか,については,小学校時代に形成される教育観が影響していることが明らかにされた。②ICTを活用した教育活動に対して積極的な信念を持たせるためにはどのような教育方法が必要であるかを明らかにすることについては,2023年度の研究成果により非同期型教材の活用が一定有用であることが示された。これらに伴い,研究開始当初に課題としていたICT活用教育に対する消極的な態度の変容に向けた方略は見通しを持つことができた。残り1年間の研究計画のなかで,これらの成果をもとに本研究で明らかにしてきた非同期型教材を活用した信念の変容にあたるチェックリストを構築し,実際に効果測定を行うことで本研究は当初計画を満たすことができると判断される。よって,おおむね順調に進展しているものと判断した。

今後の研究の推進方策

教育実習でICT活用授業を行った教員養成学部生が,ICT活用教育における教育観にどのような変化を得たのかを調査する。具体的には,これまでに明らかにした成果をもとに,信念を問うチェックリストを作成し,教育実習前後においてどのような変化が生じたかを明らかにする。加えて,どのようなICT活用授業を行ったのかを整理・分析することで,どのようなICT活用教育を行うことが教員養成学部生たちが経験的にその有用性を学ぶことに至るのかを明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

研究分担者が,都合により出張キャンセルとなったため,予定していた出張旅費が次年度使用となった。2024年度は最終年度となるため,次年度使用額とあわせて,研究会等での成果発表に使用する予定である。

  • 研究成果

    (14件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件)

  • [国際共同研究] Uppsala University(スウェーデン)

    • 国名
      スウェーデン
    • 外国機関名
      Uppsala University
  • [雑誌論文] SNS型教職ポートフォリオに記述されたICT活用授業参観と実践による省察の特2024

    • 著者名/発表者名
      谷塚光典,森下孟
    • 雑誌名

      日本教育工学会2024年春季全国大会(第44回大会)講演論文集

      巻: - ページ: 253-254

  • [雑誌論文] SNS型教職ポートフォリオシステムの評価と改修2024

    • 著者名/発表者名
      森下孟,谷塚光典
    • 雑誌名

      日本教育工学会2024年春季全国大会(第44回大会)講演論文集

      巻: - ページ: 651-652

  • [雑誌論文] 学習者の興味・関心を引き出すための非同期型動画教材に施す働きかけの分析2023

    • 著者名/発表者名
      下﨑高,谷塚光典,森下孟
    • 雑誌名

      コンピュータ&エデュケーション

      巻: 55 ページ: 45-49

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Developing Remote Learning Skills in Education University Students Through Practical Sessions2023

    • 著者名/発表者名
      Morishita, T.
    • 雑誌名

      Proc. of EdMedia + Innovate Learning 2023

      巻: - ページ: 1352-1361

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 中山間小規模校出身学生を対象とした学習経験の意識調査と一考察2023

    • 著者名/発表者名
      松本奈菜三,森下孟
    • 雑誌名

      令和5年度日本教育大学協会研究集会発表概要集

      巻: - ページ: 92-93

  • [雑誌論文] 児童生徒の読書量を増やすための読書嫌いの要因分析2023

    • 著者名/発表者名
      森下 夏鈴、谷塚 光典、森下 孟
    • 雑誌名

      日本教育工学会研究報告集

      巻: 2023 ページ: 74~77

    • DOI

      10.15077/jsetstudy.2023.4_74

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 教員養成の観点からみた中日小学校のSTEAM教育に関する調査・分析2023

    • 著者名/発表者名
      Chen Xi、松本 奈菜三、森下 孟
    • 雑誌名

      日本教育工学会研究報告集

      巻: 2023 ページ: 78~83

    • DOI

      10.15077/jsetstudy.2023.4_78

    • オープンアクセス
  • [学会発表] SNS型教職ポートフォリオに記述されたICT活用授業参観と実践による省察の特徴2024

    • 著者名/発表者名
      谷塚光典,森下孟
    • 学会等名
      日本教育工学会
  • [学会発表] SNS型教職ポートフォリオシステムの評価と改修2024

    • 著者名/発表者名
      森下孟,谷塚光典
    • 学会等名
      日本教育工学会
  • [学会発表] 中山間小規模校出身学生を対象とした学習経験の意識調査と一考察2023

    • 著者名/発表者名
      松本奈菜三,森下孟
    • 学会等名
      令和5年度日本教育大学協会
  • [学会発表] 児童生徒の読書量を増やすための読書嫌いの要因分析2023

    • 著者名/発表者名
      森下夏鈴,谷塚光典,森下孟
    • 学会等名
      日本教育工学会
  • [学会発表] 教員養成の観点からみた中日小学校のSTEAM教育に関する調査・分析2023

    • 著者名/発表者名
      Chen Xi,松本奈菜三,森下孟
    • 学会等名
      日本教育工学会
  • [学会発表] Developing Remote Learning Skills in Education University Students Through Practical Sessions2023

    • 著者名/発表者名
      Morishita, T.
    • 学会等名
      EdMedia + Innovate Learning 2023
    • 国際学会

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公開日: 2024-12-25  

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