研究課題/領域番号 |
21K02851
|
研究機関 | 東京成徳大学 |
研究代表者 |
茂呂 雄二 東京成徳大学, 応用心理学部, 教授 (50157939)
|
研究分担者 |
新原 将義 帝京大学, 公私立大学の部局等, 講師 (50802211)
永岡 和香子 浜松学院大学短期大学部, その他部局等, 教授 (60461894)
北本 遼太 浜松学院大学短期大学部, その他部局等, 助教 (90896367)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | パフォーマンスアプローチ / 大学生低学力問題 / 形成的調査 / 心理学授業カリキュラム / パフォーマンスワークショップ |
研究実績の概要 |
本研究は、大学生のいわゆる “低学力”問題に対して、パフォーマンス心理学に基づいた新しい学習支援プログラムを開発し、実装し、その効果を評価・検証する。パフォーマンス心理学を、これまで適用事例のない大学生の基礎的な学びに適用することで、知識集積型の従来のやり方ではない、新しい視点から大学生の学力の問題にアプローチする。 それとともに、本研究で得られた経験的なデータを基にして、パフォ ーマンスの心理学の精緻化と深化を目指すものである。以下のように実績を蓄積することができた。 ①大学生の学習支援のためのパフォーマンスアプローチの理論整備と形成的調査:パフォーマンスアプローチを学習に苦戦する大学生用に改訂する作業を行った。従来のパフォーマンスアプローチの集約と大学生が参加できる実践レシピの開発について検討した。2大学の新入生対象に、質問紙法で形成的調査を行い、パフォーマンス経験事例を収集した。 ②ワークショップの設計と実施:少人数ワークショップでパフォーマンス経験を付与して効果測定する方法を開発を行った。 ③授業への実装:初年次「言語心理学」の授業カリキュラムを検討し、その検討に基づいて「新しい言語心理学の教科書」を検討し、編集した。 このほか、パフォーマンスアプローチについて、複数の研究会を実施し、パフォーマンスアプローチとL.Wittgesteinの哲学思想との関係、言語実践が新たに創造される過程についての心理学的機序について議論を深めた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
毎月リモートでの研究打合会を実施しながら、研究を確実にすすめることができた。2つの大学で、パフォーマンス経験・学習経験に関する質問し調査を実施して、データを収集した。短大生対象のアートワークショップを企画・実施することができた。パフォーマンスの重要性に目を向けることができるような心理学の教科書(言語心理学編)の編集を行い、初年次教育の内容をパフォーマンス心理学の視点から大きく見直すような新しい教育課程の提案を可能とした。以上のことからおおむね順調と自己評価した。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度はコロナの影響で、形成的なインタビュー調査(インタビューを通してデータを収集するとともに、パフォーマンスによる自己への信頼を育む調査方法)の開発と実施については進めることができなかった。次年度は、感染症対策を十分に施しながら、対面でのインタビュー調査を実施することとしたい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナ感染症の影響で対面での研究打ち合わせや研究会をリモート実施と変更したために旅費を使用することができなかった。また収集した質問紙データ・面接データを謝金を利用して整理・入力する予定であったが、質問紙調査は実施できたが面接データについてはやはりコロナ感染症を危惧して実施できなかった。質問紙データの整理入力についても、やはりコロナ感染症のために本年度は進めないこととした。次年度は、データの処理について計画通りに進めることで、予算を確実に使用して成果を上げたい。
|