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2022 年度 実施状況報告書

学習目標による「わからない」の可視化を目的とした授業支援システムの開発と評価

研究課題

研究課題/領域番号 21K02866
研究機関津田塾大学

研究代表者

稲葉 利江子  津田塾大学, 学芸学部, 教授 (90370098)

研究分担者 渡辺 雄貴  東京理科大学, 教育支援機構, 教授 (50570090)
今野 貴之  明星大学, 教育学部, 准教授 (70632602)
岸 磨貴子  明治大学, 国際日本学部, 専任准教授 (80581686)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード指導支援システム / 指導方略 / 学習目標
研究実績の概要

本研究では,学校教育の現場において,階層的構造により構成されている科目において「わからない」ことをどのように表現できるのかというデータを調査・ 蓄積するとともに,その理解・表現段階に応じた指導方略を設計し,システム開発を行うことを目的としている。
2022年度は,ニーズ調査および,その結果に基づいたシステム開発を行った。
まず,ニーズ調査については,大学生を対象とし,既存のノートテイキングシステムNoTASを用いたノートテイキングの実証実験を行うとともに,「わからない」の可視化方法の現状把握を行った。その結果,「わからない」箇所を学習者は「下線をひく」「エリアを囲む」「付箋をつける」など学習者により異なる方法で可視化していることがわかった。さらに,学習に「わからないこと」があったときに,その「わからないこと」が「わかる」ようになりたいが,何を復習したら良いかわからないこと,具体的な復習箇所の提示を希望することと,さらにわからない箇所の一覧があると好ましいなどのニーズがあることがわかった。一方,教員側としては,学習者がわからないことがどこか,誰がどの箇所をわからないのかを一覧したいというニーズがあることがわかった。
これらのニーズをもとに,教員が単元ごとに課題分析図を作成し,既習知識と発展知識についての全体像を把握した上で授業計画を立てられるようにすること,学習者が「わからない」ことを「わかる」ように復習を行う際の支援を実現するようにすることを目的としたシステム設計を行った。具体的には,「教材の階層構造化機能」「既習知識へのリンク情報の表示機能」「わからないことの一覧機能」「学習ログ機能」などの機能設計を行った。システム開発は,既存のノートテイキングシステムNoTASをベースに行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の計画は,2021年度にシステム設計を終え,2022年度に「指導法略を支援するためのシステムの開発および評価を行う」計画としていた。しかし,2021年度に,既存のノートテイキング支援システムをベースとして,システム開発を行う方向性の確認は行ったが,具体的な機能設計まではまだ行えていなかった。そのため,2022年度に,機能設計を想定した実践をし,具体的な機能設計を行った。その設計に基づき,予定通りシステム開発を行うことはできたが,開発したシステムの評価まで行うことができなった。この状況から,「やや遅れている」としている。

今後の研究の推進方策

2023年度は,2022年度に開発を行なったシステムの評価を行うとともに,実際の教育現場において検証を行い,実践的な評価実験を行う予定である。
具体的には,中学校数学を対象として,二次関数の単元をもとにした課題分析図に基づく教材作成および実践を行う予定である。
それらの成果を関係学会で報告する予定である。

次年度使用額が生じた理由

2022年度は、コロナ禍の影響により国際会議への発表を控えていたため、旅費として計上した予算を使用せず、繰り越している。2023年度に、成果報告を積極的に行なっていく予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 他者のノートテイキング状況の可視化が授業中の相互作用に与える影響2023

    • 著者名/発表者名
      近藤孝樹,横山喬一,御園真史,稲葉利江子,渡辺雄貴
    • 雑誌名

      日本教育工学会論文誌

      巻: 47(1) ページ: 13-25

    • DOI

      10.15077/jjet.46073

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Visualization of Learners' State of Learning Using a Task Analysis Diagram2022

    • 著者名/発表者名
      Roman Nakamura, Rieko INABA, Yuki Watanabe
    • 学会等名
      ICoME 2022
    • 国際学会
  • [学会発表] 学習者間の相互作用を促進するために有効なナッジの援用2022

    • 著者名/発表者名
      近藤孝樹,横山喬一,御園真史,稲葉利江子,渡辺雄貴
    • 学会等名
      日本教育工学会2022年度秋季年次大会
  • [学会発表] 課題分析図による学習者の学習状況の可視化2022

    • 著者名/発表者名
      中村ロマン,近藤孝樹,稲葉利江子,渡辺雄貴
    • 学会等名
      日本教育工学会2022年度秋季年次大会

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公開日: 2023-12-25  

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