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2022 年度 実施状況報告書

物理学履修者の基本概念理解に内在する認知段階因子と授業形態の研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K02885
研究機関兵庫県立大学

研究代表者

庄司 善彦  兵庫県立大学, 高度産業科学技術研究所, 准教授 (90196585)

研究分担者 宗尻 修治  広島大学, 先進理工系科学研究科(総), 准教授 (90353119)
斉藤 準  帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (90757668)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードFCI / CTSR / 認知発達 / 受験学習 / ジェンダー効果
研究実績の概要

本件は調査結果の解析技術開発、FCIおよびLCTSRを用いた学生調査、結果解析、成果報告から成る。2022年度はCOVI-19感染拡大対策のため、学生調査を十分に進めることができなかった。特にFCIとLCTSRという2種類のテストを行う必要性から、課外時間の学生ボランティアを予定していたが、これはどの学内においても実施できなかった。そのため、進展は主として解析技術開発にとどまった。
解析技術開発には進展があり、2022年8月の日本物理教育学会において「誤概念克服に寄与する認知段階因子と学習形態因子―高校生は、どのような学習で誤概念を克服しているか―」というタイトルで口頭発表を行った。L.Baoらの調査によれば、中国の高校生は完璧に近い誤概念克服を達成している。中国の教育手法は高考といわれる大学入試対策、特に自宅演習である。彼らはローソンテストスコアSLとFCIスコアSFの分布を比較したが、入試対策に認知発達を促すであろう「考える」要素はないという結論であった。我々はこの視点に基き、この時点で取得済みの調査データを用いて中間報告を行った。
さらに、2023年3月に日本物理学会において、同タイトルで口頭発表を行った。8月以来の進展として、サンプル数の不足から行わなかった性別解析を行い、性別解析の必要性を明らかにした。ここではさらに、双方向型講義は確実な法則理解から始める演繹型、受験対策は演習問題を解くことで理解を進める帰納型としする理解指針を示した。教育者の関心は演繹型に集中しがちに思えるが、我々の日常における広義の学びは帰納型であり、帰納型が自然という考えも可能だろう。中国の高校生の完璧に近い誤概念克服は帰納型の大学入試対策によって得られたと考えられるが、日本における我々のデータはこの推測を裏付けると考えている。

現在までの達成度
現在までの達成度

3: やや遅れている

理由

本件は調査結果の解析技術開発、FCIおよびLCTSRを用いた学生調査、結果解析、成果報告から成立する。2022年度はCOVI-19感染拡大対策のため、学生調査を進めることができなかった。特にFCIとLCTSRという2種類のテストを行う必要性から、課外時間の学生ボランティアを予定していたが、どの大学においても実施できなかった。そのため、進展は主として解析技術開発にとどまった。さらに、学会の多くがオンライン開催またはハイブリッド開催となったため、協力を要請できる大学の獲得ができなかった。オンラインでは十分なコミュニケーションが取れず、交渉は困難であったからである。
一方、解析技術開発には進展があった。その内容は研究実績の概要に記述したとおりである。

今後の研究の推進方策

2023年度から講義形式も対面が主となり、データ取得の環境が整う。そして、課外時間を利用した学生ボランティアなどを活用しやすい状況もできつつある。兵庫県立大においてはこの状況で、学生データの収集を進める。さらに広島大学においてはオンラインの調査が可能となっている。中部大学は教育プログラム改革の渦中にあり、限られた範囲のデータ収集となる。帯広畜産大学においては、従来のLCTSRデータ収集を中心に進める。
現状は、研究期間内に大幅なデータ増強は困難な状況である。可能な限りデータ収集の努力を継続するが、現在収集済みのデータでも統計的に意味のある解析結果が得られると考えている。今年度内に結果を英文学術雑誌に投稿する予定である。また、海外出張も可能となったため、8月以降はの海外の学会参加と発表、および海外出張による情報収集を行う。具体的にはARE conference、およびAAPTに参加し、情報収集を行う。

次年度使用額が生じた理由

COVIDー19感染拡大により、学生調査、学会参加費と旅費、海外調査のいずれも大きく制限を受けた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 誤概念克服に寄与する認知段階因子と学習形態因子 ――高校生は、どのような学習で誤概念を克服しているか――2023

    • 著者名/発表者名
      庄司善彦、宗尻修司、野村和泉、斉藤準
    • 学会等名
      日本物理学会
  • [学会発表] 誤概念克服に寄与する認知段階因子と学習形態因子 ――高校生は、どのような学習で誤概念を克服しているか――2022

    • 著者名/発表者名
      庄司善彦、宗尻修司、野村和泉、斉藤準
    • 学会等名
      日本物理教育学会
  • [学会発表] ブレンド型実験授業における学習成果と認知段階因子との関係2022

    • 著者名/発表者名
      斉藤準、庄司善彦、宗尻修司、野村和泉
    • 学会等名
      日本物理学会

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公開日: 2023-12-25  

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