研究課題/領域番号 |
21K02898
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
日比野 拓 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (60513835)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 教材開発 |
研究実績の概要 |
新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、社会全体に大きな衝撃を与え、教育現場にも大きな影響を与えた。2024年現在、状況は徐々に改善しているものの、将来再びこのような新興感染症の流行が起こる可能性は十分に考えらえる。そのような困難な状況に直面しても、子供たちが前向きに未来へ進んでいくことができるよう、教育現場では新たな取り組みが求められている。このような状況を踏まえ、「コロナ禍プラントゲーム」と命名した教材を開発した。この教材は、既存のエコプラントゲーム(環境省、2002)をベースに、コロナ禍における工場運営を疑似体験できる内容に改編した。12か月間の工場運営を通して、公衆衛生に配慮しながら他のチームと営業利益を競い合うという設定である。 大学生を対象とした試行では、以下のアンケート結果が得られた。 「この教材を楽しくプレイできた」と回答した学生は98%、「意見交換を通じて学びがあった」と回答した学生は98%、「安全教育や公衆衛生の学習に役立つ」と回答した学生は80%、「高校の科学と人間生活の授業で活用できる」と回答した学生は88%「このゲームを通して、困難を乗り越えて前向きに生きていこうという気持ちになった」と回答した学生は80%。 これらの結果から、「コロナ禍プラントゲーム」は、学生たちの安全教育や公衆衛生への意識を高め、将来の困難な状況に立ち向かうための力を育む効果が期待できることが示唆された。今後は、小中学生を対象とした試行も行い、教材の有効性を検証していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は研究実績の概要で示したゲーム教材を完成させ、大学生を対象に教材の試行を行った。次に、免疫のしくみを学習する観察実験の事例として、ウニ胚・幼生が実験材料として適合するかについて継続実験を行った。その実験結果を日本動物学会関東支部大会にてポスター発表を行った。 区分(3)「やや遅れている」を選択した理由は、教員定員削減により、本研究者の授業負担が増加し、それに伴い授業準備に時間が取られ、本研究課題を予想していたほど進められなかったためである。
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今後の研究の推進方策 |
前年度に開発したゲーム教材を論文にまとめ発表すること、さらに本研究助成者のウェブサイトにて公開すること。ウニ胚・幼生を実験材料とした免疫のしくみを学習する教材開発を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
教員定員削減により、本研究者の授業負担が増加し、それに伴い授業準備に時間が取られ、本研究課題を予想していたほど進められなかった。そのため研究計画を1年延長して、申請書の実験計画を確実に進め、論文にまとめることを目指す。
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