研究課題/領域番号 |
21K02912
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
若林 源一郎 近畿大学, 原子力研究所, 教授 (90311852)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 研究炉 / オンライン遠隔実習 / 仮想コンソール |
研究実績の概要 |
原子力・放射線分野を専攻する学生にとって、原子力施設での実習は、座学で学んだ知識を実践し、体験に裏打ちされた技能を身に付ける場として不可欠のものである。しかしながら、現在わが国では研究用原子炉の多くが運転停止または廃止となり、原子炉を保有し実習環境を提供できる大学は近畿大学と京都大学のみとなっている。さらに、福島第一原子力発電所事故後の規制強化により、教育目的であっても原子炉施設への立ち入りは厳しく制限されるようになり、原子炉の教育利用の機会が急激に失われつつある。そこで本研究では、近畿大学原子炉と遠隔地の教室をインターネットで接続したオンライン遠隔実習を実施するための環境を開発・整備することを目的としている。 令和3年度は、原子炉制御コンソールをコンピュータ上に再現する仮想コンソールの製作を行った。具体的には、近畿大学原子炉の原子炉制御コンソールから、実習に必要な運転パラメータ、各種計測器からの信号を取り出し、LabVIEWを用いてコンピュータ上に構築した仮想コンソール上に表示させるようなシステムを作成した。この仮想コンソールの画面をテレビ会議システムを通じて遠隔地の教室にあるPCと共有する。これにより、近畿大学で実際に運転している原子炉の各種パラメータを遠隔地側の教室でリアルタイムで見ながら必要なデータを取得し、原子炉側の運転員や講師とやり取りをしながら現場に準じた臨場感ある実習を行うことができるようにした。さらに、実際に学外の教室と原子炉制御室を結んで接続試験を兼ねた実習を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
原子炉制御コンソールから信号を取り出し、LabVIEWを用いてPC上に仮想コンソールを構築することができた。さらに、オンライン実習の機会を利用し、学外の教室と原子炉制御室を結んだ遠隔実習を試行することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
いくつかの代表的な実習項目について、実習に必要な情報だけを効果的に表示するコンピュータ上のパネルを設計・試作し、実際に原子炉を運転しながら動作試験を行いたい。また、最近は核物質防護の一環として、原子力施設における情報セキュリティの強化が求められている。遠隔実習システムの開発とともに、原子力規制に抵触しない範囲での遠隔実習の実施方法についても検討する。また、実際に製作した遠隔実習システムを用いて、遠隔地の大学と接続して実習を試行するとともに、可能な範囲で従来からの現場実習も行って参加学生に対する教育効果を比較し、遠隔実習でも十分な教育効果が得られる実習項目と、現地で学生が参加しなければ教育効果が見込めない実習項目を明らかにしていきたい。 得られた成果は、随時国内外の学会で発表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
購入した物品の納品が遅れ、支払いが次年度になったため。
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