研究課題/領域番号 |
21K02921
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
山下 修一 千葉大学, 教育学部, 教授 (10272296)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | コア知識 / OPPA / 発展的課題 / ワークシート / 読み物 |
研究実績の概要 |
本研究では,従来はバラバラに用いられてきたコア知識一覧表とOPPAの知見を統合して,新学習指導要領に対応した中学校理科教科書の発展的課題用のワークシートと読み物を開発し,実際の中学校理科授業でその有効性を実証するのが目的である。 2021年度には,千葉県内の理科教員・理科教員目指す大学生400名程度を対象にして,中学校1~3年の理科教科書のどの発展的課題の指導が困難なのかを調査する予定であった。コロナ禍のため,千葉県内の理科教員への調査数は52名にとどまったが,結果を分析し論文にまとめて投稿予定である。 現在,調査から指導が困難だと特定された発展的課題から順次ワークシートと読み物を開発し,実際の理科授業でその有効性を検証中である。2021年度には,調査の結果から中学校2年「二酸化炭素中のマグネシウム燃焼のワークシート」の支援のニーズの平均値が3.88(0.96)と比較的高かったので,新たにワークシートと読み物を開発し,生徒のワークシートの記述内容を分析することにした。合わせて,中学校1・2年鹿児島湾の特徴・桜島の特徴のワークシートと読み物も開発し,実際の理科授業でその有効性を検証した。 現在,生徒のワークシートの記述内容を分析し,発展的課題にも学んだことを適用した説明ができるようになったのか,学習によって成長したことを実感できたのかを明らかにしているところであり,結果がまとまり次第,論文にして投稿予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
先行研究の千葉県教育委員会との共同研究の中で,コア知識の知見(山下,2018)とOPPA (One Page Portfolio Assessment)の知見(堀,2018)を生かすことが検討され,コア知識とOPPAの知見を統合して「脊椎動物の分類」の発展的課題に取り組むためのワークシートと読み物を開発・検証した知見をまとめて出版することができた(「脊椎動物分類の発展的課題に対応するワークシートの開発と評価」日本教育大学協会研究年報 40, 27-37,審査有)。 また,当初は中学校理科での研究開発であったが,小学校からも連携・協力の支援が得られ,小学校理科でもワークシートと読み物教材を開発・評価をすることになっている。
|
今後の研究の推進方策 |
2022年度も引き続き,別の単元でワークシートと読み物の開発・評価を進める。当初は中学校理科での研究開発であったが,小学校からも連携・協力の支援が得られ,2022年度以降は,小学校理科でもワークシートと読み物教材を開発・評価をする予定である。 2023年度以降には,有効だったワークシートと読み物,授業展開例を書籍や論文にして報告する予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のため,国際交流が制限され,学会発表もオンラインとなり,経費が削減された。また,コロナ禍のため千葉県内の理科教員への調査数が52名にとどまった。 2022年度以降には,積極的に成果を発表する予定である。
|