本研究では、PBLおよびSTEM教育の学修に関与する因子として、「学修者」「教授者」「教授内容」「教場環境」等の、レディネスならびにアクティビティを定量化し、定量化された学修に関与する因子を最適化することを目的としている。 「学修者」の中でも、再履修者に関しては初学者以上にレディネスをもとにした配慮が必要であることが分かった。特に他科目との兼ね合いへの配慮を行うと、担当科目との関係も良くなることが確認できた。さらに、「学修者」に自ら学ぶことを促進するためにも、個々の「学修者」に対して最適化できるよう、十分な準備を行った。これらにより、講義室での対面授業から、友達同士の教え合いへのスムーズな移行が見られ、正課外の自学自習にも大きく寄与することが確認できた。他にも、各学修者の知識、スキル、メンタリティなどのレディネスに隔たりがある場合、その隔たりを補完する教材などを準備して提供すること、学修者のメタ認知能力の育成ならびに向上の機会を提供すること、個々の学修者の努力を適切に褒めることが重要であることも考えられた。これらをもとに、「教授者」が「教授内容」を「学修者」に応じて適切に変更し続ける必要がある。 対面授業、遠隔授業、オンデマンド授業、ハイブリッド授業などに備えて「教場環境」の整備を継続する。さらに、日々の学修履歴や学修データ、撮影した動画データから「学修者」のレディネスに繋がる情報の分析と、類似した「学修者」からのレディネスが役立てられるように情報分析を継続している。
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