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2023 年度 実施状況報告書

バーチャルリアリティ技術を駆使した小学校児童向け視覚体験型放射線教育教材の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K02941
研究機関北海道科学大学

研究代表者

小倉 巧也  北海道科学大学, 保健医療学部, 助教 (20849228)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード放射線教育 / 理科教育 / 仮想現実
研究実績の概要

本研究は,放射線に関する基本的な概念を小学生児童へ無理なく導入するために,直感的理解を支援する視覚・体験型の仮想現実放射線教育教材の開発を行うことを目的としている.なお,12歳以下の児童について,ヘッドマウントディスプレイ(以下,HMD)を使用した3D立体視を含むバーチャルリアリティ(以下,VR)体験は,斜視や不同視を引き起こす懸念があることが報告されており,本研究ではHMDを使用しない仮想現実教材の開発を進めてきた.仮想物体を現実空間に表示する技術の一つとして,拡張現実(以下,AR)がある.VR体験の大きな特徴である「仮想空間内に置かれた物体を操作する」ことを実現するために,研究代表者は放射線源や遮へい材等の操作によって生じる結果および現象を立体表示するAR教材を複数種類開発し,これら教材の表示位置を実空間で操作することによって,仮想物体の疑似的操作を可能にするオリジナルな放射線教育教材を考案した.2021年度末までに小中学校の教職員に対して放射線教育教材開発のニーズ調査を実施した.それを踏まえ,2022年度から2023年度まで,オリジナルな仮想現実放射線教育教材の開発を実施し,予定していた全ての教材開発を完了した.今年度はこれまでに開発した教材および学習指導案を使用して教育実践を行い,その教育効果を評価する.また,本研究を通して得られた成果は学会発表および論文投稿等によって広く周知を図る.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

北海道及び福島県の小学校教諭に対する質問紙調査の結果から,教材開発のニーズが高かった「放射線の線種毎の飛程距離の違い」「放射線の透過性」「放射線の防護(遮蔽)」について,昨年度までに視覚体験的に学べる仮想現実教材の開発が全て完了した.特に遮へいに関する教材は粒子および光子の動作を付与し,児童および生徒の関心を引く教材とした.また,それに併せてオリジナルな学習指導案を開発し,教育現場で実践可能な段階まで順調に進められている.

今後の研究の推進方策

これまでに開発したオリジナルな教材を用いて教育実践を行う.併せて,その教育効果についての評価を行う.具体的には,公営施設における科学教室等の機会を利用し,開発した学習指導案に沿って教育を実践し,教育前後の理解度調査によって教育効果を評価する.教育実践と並行して,更なる教材開発のニーズ調査を実施し,新たな仮想現実放射線教育教材の開発にも着手する.児童生徒に対して仮想現実技術を駆使したリアルな視覚体験の機会を創出し,目に見えない放射線を無理なく導入することを実現するために更なる教材開発と教育プログラムの開発方針を計画する.

次年度使用額が生じた理由

2023年度は教材開発および学習指導案の開発に専心し,教育実践および研究発表・論文投稿については2024年度実施の計画で研究を進めてきた.予算繰越はこのためである.具体的な使途は,教育実践および研究発表のための旅費,論文投稿費である.

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公開日: 2024-12-25  

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