研究課題/領域番号 |
21K02943
|
研究機関 | 宮城教育大学 |
研究代表者 |
猿渡 英之 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (30221287)
|
研究分担者 |
棟方 有宗 宮城教育大学, 教育学部, 准教授 (10361213)
高田 淑子 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (70302255)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 特別支援教育 / 理科教育 / 教育支援 / 大学との連携 |
研究実績の概要 |
前年度に引き続き、宮城教育大学附属特別支援学校、宮城教育大学附属中学校と連携し、大学学生と学校生徒を関わらせる機会を設けながら研究を行った。 特別支援学校生徒に対する理科教育に関する実践を通じた研究活動として、仙台市天文台を会場として宮城教育大学附属特別支援学校中学部・高等部の希望者を対象とした天文分野の実験観察教室を開催した。また、本研究においては開始当初より宮城教育大学附属特別支援学校において、池や水槽の整備などを行いながらメダカの飼育を通じた理科の学習プログラムについて検討してきたが、本年度は小学部5、6年生を対象としてメダカを題材とした授業を行い、学んだ支援学校児童らは宮城教育大学附属小学校の児童に対してメダカについて教える、という学習プログラムを開発し、実践した。このプログラムは、ただ理科の内容を学ぶだけでなく、それを元に表現し伝えることまで含んだ、総合的で意義のあるものと考えられる。これらの実践活動からは、特別支援学校児童生徒に対する理科の指導における課題も見出すこともできた。 これらの活動にはいずれも、宮城教育大学において理科を学び理科教員を目指している大学生、大学院生に準備の段階から関わらせた。学生らは、支援学校を見学して実態を把握し、支援学校教員からも助言を受けながら、児童生徒への指導計画を立案した。これは、支援を必要とする児童生徒らに対する理解と指導力を備えた理科教員を養成するプログラムの開発に向けて、その一部になりうるものと考えられた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍によって学校への立ち入りが制限され、前年度まで授業実践などが十分に行えなかったため。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度の実践的研究で見出された、支援を必要とする児童生徒に対する理科教育における課題を踏まえながら、教育プログラムの開発を継続する。加えて、学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)と連携し、そのための理科教育プログラムの開発を行う。 附属中学校、附属特別支援学校と継続して連携をしつつ、さらに公立中学校の支援学級や学びの多様化学校と連携して、支援を必要とする児童生徒に向けての理科教育の在り方を検討し、教育プログラムの開発をさらに推進する。 また、学校支援に関わる大学生を組織化し、教育プログラムの開発、理科分野の支援活動に関わらせ、その活動をもとに、支援を必要とする児童生徒に対して理科を指導できる教員養成プログラムのモデルを提案する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ禍のため、当初予定していた3年間の研究期間のうち初めの2年間は学校現場への出入りの制限が厳しく研究全体の進捗がやや遅れている。このため、研究期間の延長を申請して認められ、次年度には教育プログラムの開発、実践、学会での報告などに研究費を使用する計画である。
|