研究課題
文理混合で行うに相応しい身近な物理量計測を基礎とした新しいデータサイエンス教育の確立を目指して、マイコンボードmicro:bitを用いたプログラミングと物理量の計測、ProcessingやP5js等による物理シミュレーション、分光器を用いた光スペクトル計測や、サーモグラフィーなど環境計測などを通じて得られる数値データの教育への活用について研究を進めた。micro:bitを用いた研究では、プログラミングと、温度、光強度、加速度など物理量の時間変化測定、データ解析を基にした実験授業の質の向上を図り、更にサーモグラフィー、マルチ環境計測器、分光器、オシロスコープなどの装置を用いた物理量計測と合わせて実験科目「物理量計測実験実習」を立ち上げ実施した。ProcessingやP5js をテーマとした研究では、物理シミュレーション開発を進め、多数のコンテンツを制作し、授業実践に活かした。特に電子の比電荷実験のシミュレーションでは既存の物理基礎実験の授業に導入し、学習の動機付けや、測定ミスへの気づきに効果があることを明らかにした。分光をテーマとした研究では、身近な偏光板とセロハンテープを使用して偏光色を観察、その光スペクトルの測定と、エクセルを使用したシミュレーションにより、偏光色について学ばせる教育を展開し、更に応用として得られた知識を活かして偏光色アート作品の制作などを行う授業科目「サイエンスアート」を立ち上げ実施した。micro:bitによる計測値をダイレクトにシミュレーションに反映させる実測とシミュレーションのハイブリッド化教材の開発も行った。これらの研究によって開発された教材や授業実践は、文理問わない学生のデータサイエンス教育に適したものであったと考える。
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千葉大学国際教養学研究 = Journal of Liberal Arts and Sciences, Chiba University
巻: 8 ページ: 73~84
10.20776/s24326291-8-p73
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