研究課題/領域番号 |
21K02946
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
川越 至桜 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (20598289)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | STEAM教育 / STEM教育 / 探究活動 / 教科等横断 / アクティブ・ラーニング / デジタルコンテンツ / 社会に開かれた教育過程 / 学習評価 |
研究実績の概要 |
社会や経済が急速に変化する現在、イノベーションによって新たな価値を創造し、将来の社会をデザインしていくことのできる創造性を持った次世代の科学技術人材の育成は喫緊の課題である。新学習指導要領では、アクティブ・ラーニング(主体的な学び)や探究活動といった教科等横断的な授業が導入されているが、これらに対応する教育コンテンツの不足や、評価基準・評価方法が設けられていないといった点が課題となっている。そのため、これらのニーズに対応する教育コンテンツの開発と、そのための環境整備は必要不可欠である。
本研究では、工学を軸として大学で行われている研究を、初等中等教育向けのSTEAM(Science, Technology, Engineering, Arts and Mathematics)コンテンツとして、特に探究活動に活用できるものを目指し開発を行った。具体的には、飛行機に関連する研究を題材とし、「科学技術と教科科目との関連」として学習指導要領との対応づけを示すとともに「科学技術の社会的な役割や意義」が理解できる教科等横断的な映像コンテンツを開発し、パソコンやタブレットで視聴できるものとした。また、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)でも利用可能な3D映像コンテンツも開発中であり、普段は体感することが難しい環境や大型装置を疑似体験することで、より実感を伴った教材を目指している。これらの教材については授業案および授業案に合わせたワークシートと利用マニュアルを作成し、評価基準・評価方法としてルーブリックの開発を進めている。また、探究学習を実施している学校の教員から現場の状況とニーズを把握するため、アンケート調査およびインタビュー調査の実施に向けて、アンケート項目等を作成している。
更に、開発したSTEAM教育コンテンツを普及・浸透させるための連携体制の構築に向け調整を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究では、工学を軸として大学で行われている研究を、初等中等教育向けのSTEAM教育コンテンツとして、特に、探究活動に活用できるものを目指し、開発を行っている。また、STEAM教育を実践する際に必要不可欠な評価基準および評価手法を開発するとともに、開発したSTEAM教育コンテンツおよび評価方法を普及・浸透させるための連携体制を構築することを目指している。
現在まで、工学を軸として大学で行われている研究を、初等中等教育向けのSTEAM教育コンテンツとして、特に探究活動に活用できるものを目指し開発を行った。飛行機に関連する研究を題材とし、「科学技術と教科・科目の関連」として、学習指導要領との対応づけを示すとともに「科学技術の社会的な役割や意義」が理解できる教科横断型の映像コンテンツとし、パソコンやタブレットで視聴できるものとなっている。また、3D映像コンテンツ開発中であり、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)でも利用可能なものとなっている。大学で行われる大規模実験や大型装置、普段は体感することのない環境などを疑似体験することで、より実感を伴った体感型教材となっている。さらに、授業案やワークシートなども作成した。
当初の計画では開発したコンテンツについて、利用者アンケートおよびインタビューアンケートを行う予定であったが、Covid-19の影響で実施が延期となった。一方で、評価方法としてルーブリックの開発等が計画以上に進展したため、探究学習を実施している学校の教員から現場の状況とニーズを把握するためのアンケート調査およびインタビュー調査を追加で実施するべく準備を進めている。また、STEAM教育コンテンツを普及・浸透させるための連携体制を構築し、充実化させることができた。従って、当初の計画以上に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
本研究にて研究開発をした教育コンテンツについて、貸出やWEB配信をすすめる。そして、利用者にはアンケート調査・インタビュー調査を実施し、課題を抽出することで改善を図る。
また、探究活動で育成を目指す「知識俯瞰能力」、「問題把握・解決能力」、「情報分析能力」、「コミュニケーション能力」といった能力について、パフォーマンス評価を念頭に置いたルーブリックを完成させ、STEAM教育における評価方法のプロトタイプを作成する。自動解析ツールも開発し、総合的に評価できるツールを開発する。加えて、探究学習を実施している学校の教員から現場の状況とニーズを把握するためのアンケート調査およびインタビュー調査を実施することで、開発したSTEAM教育コンテンツおよび評価方法のプロトタイプが適切か検証する。
更に、STEAM教育を普及・浸透していくための連携体制の構築に向けて、教育委員会や企業等と連携を更に充実化させる。そして、「社会に開かれた教育課程」の実現を目指し、STEAM教育の普及・浸透の基盤を構築する。
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次年度使用額が生じた理由 |
教育コンテンツ開発費用が当初見積額よりも費用がかからず、また、それに伴う人件費・謝金費用がかからなかったため次年度使用額が生じた。次年度使用額と次年度分とを合わせ、開発した教育コンテンツの改善・改訂、および、教育コンテンツの英語化を検討、英語版STEAM教育コンテンツの研究開発に使用する予定である。 また、本研究により開発した教育コンテンツを広く普及するため、国内・海外の学会等での発表、初等中等教育現場での普及に向けた活動に使用する予定である。
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