研究課題/領域番号 |
21K02953
|
研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
西脇 洋一 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (70439818)
|
研究分担者 |
加藤 徹也 千葉大学, 教育学部, 教授 (00224519)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 人工知能教育 / 能動的学習 / ICT教材 |
研究実績の概要 |
本研究は理工系・人文系を問わず広く受講される大学教養科目において、プログラミング学習を行わずに、人工知能(AI)はどのような原理で動作するのか、AIは何が得意で何が不得意なのか、といったAIの基礎を理解するための教育法の確立を目指しています。本研究期間では、以下の研究開発を行いました。 1) 表計算ソフト(Excel)を用いて、多層化されたニューラルネットワークモデルによる深層学習(ディープラーニング)について学ぶ教材を作成しました。一つ一つの人工ニューロンが入力信号である数値群に対して関数を用いて出力信号である数値群を計算し、その中間層も含めてパラメータを最適化していく過程について、表計算上で可視化しながら学んでいきます。 2) 手書き数字を人間はどのように判別しているか、などの課題についてのグループ議論を行う中で、学生たちがAIの仕組みに気づくように導く学習法を開発しました。グループ議論において学生たちに、人間が手書き文字を判別するときには一つの明確なルールに依っているのではなく、これまでの経験を総合して判断していることに気づかせます。このグループ議論は、タブレットPCを用いてインターネットを通じて行うこともできます。 3) タブレットPC上で学習できるように、ブラウザベースでニューラルネットワークモデルを学ぶ教材を作成しました。 4) 撮影した動画の画像解析を用いた科学実験教材を開発しました。学生が興味を持ちそうな物体の運動などを動画撮影して、コマ送りした画像を解析し定量化して科学的理解を深めます。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
人工知能の基礎を学ぶ教材作りはおおむね順調に進んでいます。しかし、3D映像や3Dプリンタなどの3次元表現技術を活用した教材作りは計画通りには進んでいません。これは、3次元表現技術を用いた教材作りの過程で、自然現象を撮影した動画の2次元画像解析が科学実験教材として有効であることに気がついたからです。本研究期間では、撮影した動画の画像解析から科学的理解を深める実験教材を作成しました。
|
今後の研究の推進方策 |
当初の計画から遅れている3D映像や3Dプリンタといった3次元表現技術を用いた教材作りを進めていきます。また、強化学習の中で代表的な手法であるQ学習について、PCやタブレットPCを用いて学ぶ教材も作成します。
|
次年度使用額が生じた理由 |
3次元表現教材の開発が当初の計画通りに進んでいないため、3Dプリンタ用レジンなどの購入を見送りました。これらの物品は次年度に購入して、研究を進めます。
|