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2023 年度 実績報告書

ナショナルアイデンティティによるリバタリアニズム的公正観促進効果の検討

研究課題

研究課題/領域番号 21K02960
研究機関北海道教育大学

研究代表者

今在 慶一朗  北海道教育大学, 教育学部, 教授 (40359500)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードナショナルアイデンティティ / 公正感
研究実績の概要

1.集団への帰属意識が強い人は同じ集団に所属するメンバーに対して好意的で和やかな態度をとりやすいと考えられている一方で、そのような人は集団の活動を正当化する傾向も強く、集団を公正に機能しているとみなす傾向も強いと考えられる。そのため、集団の中で不利な立場にある人を見ると、「集団は責任をとる必要がない」と考え、不利な立場にある人の責任はその人自身にあると考えやすい傾向があると推測される。このような予測を一国の社会にあてはめると、ナショナルアイデンティティが強い人は、同じ社会の中で不利な状況にある人への社会的支援の必要性を感じると同時に、不利な立場にある人に自助努力を求めると考えられる。ナショナルアイデンティティには、社会的弱者に対して相反する2つの態度を形成する機能があると予測し、アンケート調査を実施した。その結果、ナショナルアイデンティティを構成する要素である愛国心は、国家の機関や組織は公正であり、人々は自分の現状に責任を持つべきだと感じさせることが確認された。この結果は、ナショナルアイデンティティには、結果として社会的弱者への支援を抑制する効果があることが示唆された。
2.日本人が日本人らしいと感じる特徴について分析したところ、「日本語が話せる」が最も日本人らしさを感じさせる特徴であることが示された。さらに、「日本語が話せる」という特徴とナショナルアイデンティティを構成する「愛国心」「国家的遺産への愛着」「国際主義」「国家主義」との関連について分析したところ、「愛国心」「国家的遺産への愛着」「国家主義」との関連性が見いだされた。この結果から日本語が話せることを重視する人は、日本の国が好きで住み続けたいという気持ちや日本の伝統文化を守っていきたいという気持ちに加えて、自分が優れた日本人の一員であると感じ、他国の人に対して優越感を抱きやすいことがうかがわれた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Promoting self-responsibility norms through national identity via procedural justice2024

    • 著者名/発表者名
      Kei-ichiro IMAZAI
    • 雑誌名

      Tohoku Psychologica Folia

      巻: 82 ページ: 1-13

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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