研究課題/領域番号 |
21K02967
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研究機関 | 千葉工業大学 |
研究代表者 |
高木 彩 千葉工業大学, 社会システム科学部, 教授 (30532395)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 人工知能 / 受容 / 価値観 / リスク認知 / ベネフィット認知 / 信頼 |
研究実績の概要 |
本研究では、近年成長が目覚ましい情報分野の中で比較的注目度の高い人工知能に焦点をあてて、萌芽技術の認知と受容過程の解明を目指し調査研究を実施した。 令和3年度は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のような危機への対処に資する人工知能への一般の人々の認知や受容を検討した。人工知能といった萌芽技術の認知と受容を扱う先行研究では、技術の認知や受容態度の回答を求める時、広義に評価対象の技術を定義することがあるが、その定義のもとに得た一般の人々の認知や受容態度が、個別の社会実装の形態次第では異なってくることもあり得るだろう。 そこで本研究では、このような調査時の対象技術の定義によって回答者の認知や受容態度に差異が生じている可能性も含めて、対象技術への認知が受容態度に及ぼす影響と、その受容プロセスに対する回答者の価値観の関わりを検討した。 調査では、人工知能に関して、広義/狭義の程度が異なる4つの技術(人工知能、医療AI、重症化予測AI、埋め込み型マイクロチップ)を取り上げ、各技術についての説明文を提示した後に、その技術に対するリスク認知、ベネフィット認知、技術性能への信頼感、対象技術に抱く感情と、その感情に関わる可能性のある穢れ忌避の価値観を測定し検討した。その結果、技術の受容態度に関しては、技術の定義が広義な場合のほうがより肯定的な受容態度を示した。また、対象技術の受容態度と認知や感情、価値観との関連についても技術による違いが認められた。したがって、人工知能に関わる技術であっても、その個別の実装形態や技術説明によって人々の認知や受容プロセスに差異が生じる可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
危機管理に資する情報分野の萌芽技術として、医療AI(重症度予測AI、埋め込み型マイクロチップ)を取り上げ、当初の予定通りその対象技術への認知と受容、それらに関連する価値観や感情経験の個人差要因の影響を検討することができたため、概ね順調に進展している状況にあるとみなしている。
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今後の研究の推進方策 |
技術の受容に関わる価値観として今年度は穢れ忌避傾向を取り上げたが、次年度はその他の価値観についても測定を行うことによって、技術の認知と受容に対する価値観の影響についてさらなる解明を目指したいと考えている。 また、研究方法に関しては引き続きコロナ禍にあり実験室実験の計画や実施に関しては難航する可能性が考えらえるため、研究手法は感染拡大状況に応じて柔軟な調整や変更をしていく事を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
WEB調査のデータ収集に関する外注費が予定より若干安価になったため、その残額が生じた。この残額は次年度以降の学会参加費や調査費として使用することを現在検討している。
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