研究課題/領域番号 |
21K02987
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研究機関 | 愛知淑徳大学 |
研究代表者 |
平島 太郎 愛知淑徳大学, 心理学部, 准教授 (50803110)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 社会的ネットワーク / パーソナルネットワーク / コミュニティ / メンタライジング / 主観的幸福感 / 孤独感 |
研究実績の概要 |
本研究は、従来の研究で扱われることの多かった親密な対人関係だけでなく、「知り合い」といった関係性が強くはない他者の存在や見知らぬ他者との偶発的な相互作用を含む、個人を取り巻く包括的な対人関係が、個人の健康に及ぼす影響や、それらの対人関係の心理基盤を明らかにすることを目的としている。2022年度は、主に下記4点を進めた。 第1に、関係性が弱い他者を含む対人関係と、精神的健康(主観的幸福感・孤独感)との関連について、クラウドソーシングサービスを利用し予備調査を実施した。データを分析した結果、対人関係そのものよりも、外向性といったパーソナリティ変数が精神的健康の指標と強く相関していたことが示された。分析結果は、2023年度に開催される東海心理学会年次大会(発表受理)および日本社会心理学会年次大会(発表申込予定)にて発表を行う予定である。 第2に、関係性が弱い他者を含む対人関係の心理基盤に関する検討として、コミュニティ形成に関する論文を執筆し、Letters on Evolutionary Behavioral Science誌に掲載された。 第3に、上記の論文において検討が不十分であった点を補うためのオンライン調査をクラウドソーシングサービス上で実施した。この調査で得られた一部のデータの分析結果については、2022年度に開催された日本心理学会年次大会にて発表された。また、2023年度に開催される日本心理学会年次大会にて発表を行う予定である。 第4に、関係性が弱い他者を含むパーソナルネットワークの全体像およびその構造を測定するためのツールについては、調査対象者の変更に伴い実施方法にも変更を要することとなった。仕様の修正について引き続き検討を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初計画では大学生を対象とする調査を実施する予定であったが、論文執筆過程で、より代表性の高いサンプルを対象としたデータが必要であるとの認識に至り、当初計画には含まれていなかった新たな調査を立案・実施した。また、関係性が弱い他者を含む対人関係の心理基盤に関する論文が掲載された。ただし、初年度に計画していたパーソナルネットワークの測定ツールについては、可能な調査実施方法が年度中に変更されたことに伴い仕様の再検討が必要となり実装に至っていない。以上のことから、全般的な進捗としては、遅れているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度中に実施した調査のデータについて、分析を完了し成果報告する。また、パーソナルネットワークの測定ツールについては仕様を改訂し2023年度中の試用と改善を行う。2023年度後半には、本調査の準備として、クラウドソーシング上での予備調査を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初、パーソナルネットワークを包括的に測定するためのツール作成およびその試用を予定していた。しかし、調査対象者の変更に伴い実施方法にも変更を要することとなり、2022年度中の執行には至らなかったため次年度使用額が生じた。2023年度は、ツール作成および2022年度中に収集したデータの論文化にかかる費用を使途とする執行を予定している。
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