本研究では、幼児期の対人的自己効力感を「問題解決主導型」と「受容信頼型」に分け、幼児の母親への認知、保育者への認知はそれぞれ対人的自己効力感に影響することを明らかにした。さらに、幼稚園年長児から小学1年生にかけて縦断的な検討を行い、幼児期の対人的自己効力感の高さは児童期においても同様に維持されること、幼児期の時点での母親の育児不安は児童期の子どもの対人的自己効力感に影響すること、児童期の対人的自己効力感は児童期の問題行動と有意な関連があることを明らかにした。 以上のことから、幼児期の自己評価、母親や保育者の働きかけは、児童期の自己評価に影響する重要な要因であることが示唆された。
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