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2021 年度 実施状況報告書

学習におけるエラーの記憶の役割

研究課題

研究課題/領域番号 21K03018
研究機関西九州大学

研究代表者

岩木 信喜  西九州大学, 健康福祉学部, 教授 (80341593)

研究分担者 田中 紗枝子  徳島文理大学, 人間生活学部, 講師 (80784496)
高橋 功  山陽学園大学, 総合人間学部, 准教授 (10330648)
諸冨 隆  作新学院大学, 人間文化学部, 名誉教授 (60003951)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード記憶 / 学習 / エラー / 想起
研究実績の概要

[問題と目的] 最近の研究では、「誤答の想起」が正答の学習を促進する可能性が示唆されている。本研究は正答フィードバック(FB)の時にエラーを想起をさせることが正答FBの記憶の想起を促進するかどうかを検証した。
[方法] 大学生38名(女性19名, 平均年齢19.51歳)が実験に参加した。第1テストとして参加者には難読漢字の読みを回答させた。問題毎に回答を入力した後、反応の確信度を数値で 0-100 の値で評定し入力させた。第1テストと正答FBセッションの間に2分間国名を思い出せる限り書き出させた。正答FBは第1テストで正答を答えていた場合、問題の右側に黄文字で「○正しい読み方」を表示した。誤答の場合、2種類の正答FBを行った。読み条件は問題の右側に黄文字で正答を9秒間表示した。エラー想起条件は, 問題の右側の入力欄の上部に第1テストの誤りの一文字目をヒントとして表示し、これを手がかりに第1テストでしたエラーを思い出して入力してもらった。その後, 正答を黄文字で5秒間表示した。1週間後に、再テストと第1テストでのエラーの想起テストを実施した。
[結果と考察] エラー想起率の平均は読み条件が.56(SE =.02)、エラー想起条件は.61(SE =.02)であった。第1テストでの誤試行の再テスト正答率は、読み条件で.36(SE =.02)、エラー想起条件で.37(SE =.02)であり有意差はなかった(t (37) = 0.35)。本実験では独立変数としてエラーの想起を初めて操作したが、独立変数の効果は十分とはいえない結果であった。エラーの想起率に差はあったが、その差は小さく二つの条件間に信頼できるほどの違いが生まれなかった。今後の実験においてはエラーの想起を促進させるために正答FBでのヒントを強化することが有効と考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナにより実験参加者を集めにくくなっている。研究体制を個人単独から4人のチームに変更したので、新しい体制を早期に確立し、計画を着実に進めたいと考えている。

今後の研究の推進方策

研究代表者の研究環境が2022年4月の異動により新しくなった。早期に実験を再開できるようにしたい。また、4人体制で実験するためにZoom等を利用した遠隔実施が可能になるように努力し、参加者を予定人数確保したい。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍における実験環境の構築に時間がかかり、予定の半分程度しか実施できなかった。また、論文の執筆が遅れ気味であり、英文校閲料や投稿料も発生しなかった。会議等の打ち合わせもZoomで実施したので旅費も不要であった。
2022年度以降は複数の大学の実験室を併用して実験を進める予定である。論文も国際誌を中心に複数執筆する予定である。対面での会議も予定したいと考えている。

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公開日: 2022-12-28  

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