本研究では,保育場面で手指と数量に接点が見られるかどうかについて明らかにするために,保育場面の数量活動を調査した。その結果,3歳児クラスの遊び場面においては,手指と数量が機能的に結びつく場面は少なく,遊びの中で指を使って数をかぞえたり,数を表したりする行為は見られなかった。一方で,保育者が活動と活動の合間に子どもたちに対して行う手遊びには,指で数をかぞえたり,数を表したりする機会が多く含まれていた。また,保育者を対象とした質問紙調査の結果からは,手指を使って子どもたちに数量を示す機会は多いが,手指を使って子どもたちと数をかぞえることはあまり行っていないことも示唆された。
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