研究課題/領域番号 |
21K03022
|
研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
川谷 正男 福井大学, 学術研究院医学系部門, 特別研究員 (10362047)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | アンケート調査 / 医療と教育の連携 / 神経発達症 |
研究実績の概要 |
R4年度は、コロナ禍における神経発達症の医療と教育についての現状と課題を探るために福井県内の小児科医と小・中学校に対してWEBでのアンケート調査を実施し、小児科医35名、小学校113校、中学校60校から回答を得た。 医療側からのアンケート結果では、教育機関との連携方法としてオンラインや医療者の学校訪問はあまり行われていなかった。一方で小児科医が有効であると実感した連携方法に直接の対面を挙げる例が多かった。連携の課題として連携にかける時間と人材の確保の問題を挙げる回答が多かった。医療から学校に期待することとしては、学校内での社会性やコミュニケーション力の向上、感情調整方法の指導などといった療育の導入への期待が高かった。 学校側からのアンケート結果では、学校で発達障がいに関して困っていることとして発達障がいへの適切な対応方法、保護者への対応方法、医療機関との連携などが挙げられた。医療機関との連携の経験のある小中学校は約3分の2で、よく用いて有用だと感じる連携方法は文書や電話での情報交換、学校関係者が医療機関を訪問などが挙げられた。連携の課題としては時間の確保、保護者や本人の了解、対応する人材の問題などが挙げられた。 学校から医療に期待することは多岐にわたっていたが、特に保護者への対応や学校への助言・相談への期待が大きいことが伺えた。 これらの結果を福井県小児保健協会で報告し医療者と学校関係者の間での情報共有を図った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
アンケート調査は予定通りに実行し医療と教育の連携に向けて貴重な結果が得られたが、学校内での医療導入や体動観察はコロナ禍や倫理的な問題もあり進んでいない。
|
今後の研究の推進方策 |
アンケート結果をもとに医療と教育の有用な連携システムの確立を進めていく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症流行のため、参加予定の学会がWeb開催となり旅費の使用がなくなったことと学校現場での体動測定が個人情報保護や感染対策の観点から実施困難となり次年度使用額が生じた。次年度は学会発表・報告や医療と教育の連携体制の構築を目指していく。
|