研究課題/領域番号 |
21K03031
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研究機関 | 福山市立大学 |
研究代表者 |
西村 多久磨 福山市立大学, 教育学部, 講師 (30747738)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 将来目標 / 子ども / 尺度作成 / 介入研究 |
研究実績の概要 |
本年度は、子どもの将来目標を測定する尺度の短縮版を構成する項目の選定が行われた。その結果は、日本教育心理学会の個人発表で公表され、日本学級経営心理学研究という学術誌でもその詳細について報告がなされた。具体的な結果については、子ども用将来目標尺度の短縮版の項目においても、子どもの内発的将来目標は外発的将来目標よりも相対的に学校生活意欲および学校生活満足度と強い正の関連を示すなど、理論から想定される結果が得られことが報告された。さらに、学校生活に満足している子どもほど、将来目標をきちんと持っていることが明らかにされ、今後の課題として、どのように子どもの内発的将来目標を育むことができるのかについて議論がなされた。そして、将来目標と学校生活の満足度との因果関係に迫る研究の必要性についても指摘された。 この他の報告すべき成果として、すでに実施された調査から、子どもの将来目標に関するデータをもとに発達差(学年差)の検討が行われたことが挙げられる。小学4年生から中学2年生までのデータを分析した結果、子どもの将来目標の中でも内発的将来目標は変化はないものの、外発的将来目標は低下することが示された。この研究成果については、次年度の日本教育心理学会の個人発表にて公表する予定である。 その他には、最終年度に予定している将来目標の介入研究に関して、教育学部の大学生を対象とした予備的検討が実施され、介入方法の精緻化に取り組んだ。自分が目指す職業がどのような社会貢献を果たしているかについて考えさせることによって、内発的将来目標の育成が可能になることが示唆されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究成果について論文の執筆作業が順調に進んでいる。ただし、予定したWEB調査に関しては、慎重な作業が必要なため、多少の遅れが見られている。その一方で、介入研究に関してはすでに予備的な検討が進められており、こちらは予定よりも早く計画が進んでいる。そのため上記の評価とした。
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今後の研究の推進方策 |
まず上半期でWEB調査を実施し、縦断的視点から子どもの将来目標の変容と親の養育態度との相互影響関係について検討する。また、介入研究についても計画通り、本年度に実施する予定である。引き続き、得られた研究成果については論文にまとめ、学術誌への投稿を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
WEB調査会社による調査の実施がまだ終わっていないため、次年度使用額が生じている。しかしながら、今年度にWEB調査会社による調査は実施されるため、問題はない。
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