研究課題/領域番号 |
21K03037
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研究機関 | 皇學館大学 |
研究代表者 |
渡邉 賢二 皇學館大学, 教育学部, 教授 (50369568)
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研究分担者 |
平石 賢二 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 教授 (80228767)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 自己開示 / 思春期 / 親 / 養育態度 |
研究実績の概要 |
本年度は、日本教育心理学会にて「母親の養育態度と子どもの母親に対する自己開示、精神的健康との関連」という題目で、ポスター発表を行った。小学5年生から中学3年生678人を対象として、質問紙調査を行った。子どもの母親に対する自己開示の性差について検討した結果、「開示」については男性より女性の方が有意に高い平均値を示した。また、母親の養育態度と子どもの母親に対する自己開示、精神的健康のモデルを検討するために、多母集団同時分析を実施した結果、男女とも理解尊重スキルは「開示」を予測し、「開示」は精神的健康を予測した。また心理的統制の養育態度は「秘密」を予測した。これらの結果より、子どもとの良好な関係構築・維持する理解尊重スキルは、子どもの母親に対する自己開示を促進し、精神的にも健康な状態であると言えよう。 また日本発達心理学会にて、「青年期の親子関係」というテーマでラウンドテーブルを共同研究者と企画し、「青年期の子どもの親に対する自己開示と養育態度との関連」という題目で発表した。母親と父親の養育態度と子どもの母親と父親に対する自己開示、適応感と学習関係のモデルについて、多母集団同時分析を実施した結果、母親と父親の理解尊重スキルは母親と父親に対する自己開示を予測し、母親と父親に対する自己開示は適応感と学習関係を予測した。また母親の方が影響度が高かった。 本年度は、令和5年度の調査に向けて、共同研究者と会議をもち、議論を重ねた。内容は上記2つの学会発表の内容をどのように分析して、論文にするのか、また、今後の縦断調査についてである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和4年度は、研究計画を立てるにとどまり、調査を実施できなかった。理由として、公務が忙しく、なかなか研究を進めることができなかった。しかし、共同研究者とは、対面またはリモートで会議を実施し、令和5年度に向けて調査を実施する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、子どもとその母親に調査を実施するため、質問紙を作成し、子どもとその母親を対象に縦断調査の1回目を実施する予定である。得られたデータについては、分析を行い、学会発表を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
データ分析を行うパソコンと分析ソフトを購入しなかったこと、質問紙調査用紙の印刷をしなかったこと、また学会発表が1回であった(1回はリモートであったため)ため、研究費を使用しなかった。 令和5年度は、パソコンと分析のソフトの購入、調査を実施するための調査印刷代金かweb調査を実施するための代金、また学会発表(2回の予定)や学会での打ち合わせ(2回の予定)などの出張代金を予定している。
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