研究課題/領域番号 |
21K03042
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
杉江 征 筑波大学, 人間系, 教授 (70222049)
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研究分担者 |
田附 あえか 大正大学, 心理社会学部, 准教授 (60550556)
慶野 遥香 筑波大学, 人間系, 助教 (10633224)
堀田 亮 岐阜大学, 保健管理センター, 准教授 (10733074)
菅原 大地 筑波大学, 人間系, 助教 (10826720)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 学生生活 / 体験 / 成長 |
研究実績の概要 |
本年度の研究は、学生生活体験尺度を意味付け尺度を作成することであった。そこで、昨年度の調査で得られた学生生活における諸体験のどのようなところが、自分の成長のどのようなところに役立ったかについてより詳細な検討ができるように、調査対象を広げ、サンプル数も増やして「学生生活における自己成長に寄与する体験に関するアンケート」を実施した。調査によって得られた自由記述をテキストマイニングなどの方法を用いて分析した結果、以下のような知見が得られた。まず、1)自己成長につながる事柄としては、サークルやゼミ、研究などの「活動」や「アルバイト」、「実習」、「ボランティア」、「留学」、「委員会」、などで、具体的な活動や体験を通して自分自身について考えたり、感じたり、学んだりするという体験であった。次に、2)それらの事柄のどのようなところが、自己成長につながったかについては、他の人との様々なかかわりや実際に自分自身で何かを行うことによって、物事や自分自身についての気づきや学び、理解の深まり、社会的な役割や責任の自覚などであった。そして、3)どんなところに寄与したかについては、人とのかかわり方やコミュニケーション能力の向上や具体的な活動に必要な能力やスキルを身に着けられること、考える力や忍耐力、自己管理能力、様々な発見や理解などが挙げられていた。学生は様々な体験を学生生活の中で経験し、その中で主体的に物事や他者、自分自身にかかわることで、新たな気づきや学びを得ていることがうかがえた。これらの結果をもとに、活動内容(体験)とそれが自己成長のどういう側面にどの程度貢献したか(意味付け等)の項目の検討を行い、量的調査の準備を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
学生生活の体験尺度と意味づけ尺度の調査を実施し、尺度を完成させるとともに、心理社会的な成長につながる要因の検討を行っていく予定であったが、量的な調査を実施するまでには至っていなかった。研究代表者・研究分担者の本務である学生相談機関の組織改編・整備に伴う役割や業務量の増加と教育組織での業務等の増加のためである。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、今年度実施できなかった成長要因に関する尺度構成のための調査を実施するとともに、学生生活に関する調査をWEB調査なども利用しながら実施する予定である。また引き続き、心理社会的な成長につながる要因の検討を行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者・研究分担者の本務である学生相談機関の組織改編・整備に伴う役割や業務量の増加等により、調査の実施準備に十分な時間をとれなかったことで、予定していた尺度構成のための調査ができなかったこと等が主な理由である。「学生生活調査票」の尺度構成のためのWEB調査は次年度に実施するため、当初の予定通りその調査費用として活用する予定である。
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