研究課題/領域番号 |
21K03043
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
池澤 聰 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特任准教授 (30444623)
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研究分担者 |
片山 成仁 東京大学, 医学部附属病院, 特任研究員 (60419736)
河嶌 讓 独立行政法人国立病院機構本部(総合研究センター), その他, DMAT事務局非常勤医師 (70743558)
山口 泰 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (80210376)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ギフテッド / 心理社会的機能 / 知的機能 / 認知機能 |
研究実績の概要 |
ギフテッドの人々は、様々な感覚的情報も大量に取り込み、そこに強く反応する“Overexcitability” という特徴を持ち合わせている。この特徴のために、周囲の環境での様々な刺激を繊細かつ激しく感じ、それらに対して激しく反応してしまい、周りの人々からは問題行動・逸脱行動と判断されることもある。このような問題に直面した場合、「発達障害」と誤診され、その能力を生かした適切な支援が行われていない現状もある。また、ギフテッドの人々の能力は必ずしも、全領域で押し並べて高いというわけではなく、個人の中で能力のバラツキが生じている。海外の調査によれば、個人内の認知機能下位領域間における能力のバラツキの大きさは、一般健常者よりもギフテッドの人々の方が顕著であり、バラツキの大きさは情動制御の悪さや不安・緊張特性の強さとも関連が強いことが指摘されている。 本研究では、ギフテッドの特徴を持ち合わせると想定されるものの、多様な背景因子の影響により潜在能力を十分に発揮できない状態にある人々に対し、ギフテッドにおける認知機能及び心理社会機能を評価するとともに、“Overexcitability”を適切に評価し、介入ターゲットを明確化する評価尺度を開発することを目指す。 昨年度までに学内の倫理委員会の審査を終え、2021年度より研究実施に着手した。5月より被験者リクルートに着手し、第一例目を6月に登録した。以後、COVID-19感染症の蔓延状況に左右されながらも、年度末までに述べ234名の参加申込、計65名の研究実施がなされた。10月には新たな指針である「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」に準拠した形で研究計画を倫理委員会に再申請して、承認を得るとともに、研究協力施設も拡充した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
COVID-19感染症の蔓延状況に左右されながらも、年度末までに述べ234名の参加申込、計65名の研究実施がなされたため
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今後の研究の推進方策 |
収集したデータをデータベース化し、統計解析の準備を進める。さらに、臨床背景や選択基準をもとにデータクリーニングし、当初に想定したサンプルサイズを満たすまで研究参加者のリクルートを継続する。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19感染症蔓延の影響もあり、リクルート方法及びデータ収集方法の見直し、研究実施体制・環境の整備などを要したことから当初予算内訳の変更及び次年度使用額の発生を要した。次年度にむけて研究協力機関の追加をしたことから、当該機関における備品整備などが必要となる見込みである。
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