研究課題/領域番号 |
21K03046
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
小山 明日香 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (50710670)
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研究分担者 |
松下 正輝 甲南女子大学, 人間科学部, 講師 (30615935)
石川 智久 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特定研究員 (60419512)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 認知症 / 神経心理検査 / DESH |
研究実績の概要 |
令和3年度は、認知症(アルツハイマー病、レビー小体病、前頭側頭葉変性症等)および経度認知障害(MCI)患者に対して1年ごとに実施した神経心理検査に関する臨床データから過去5年分のデータベースを作成した。主な神経心理検査は、Mini Mental-State Examination(MMSE)、ADAS-Jcog、 リバーミード行動記憶検査、時計描画法(CDT)、順唱・逆唱課題、語流暢性課題、論理記憶課題等である。認知症の原因疾患ごとの各認知ドメイン(記憶、言語、注意、実行機能、視空間機能)の進行の違いや、経度認知障害から認知症へのコンバート症例における認知機能の経年変化について次年度以降分析に着手できるように準備を進めた。また、先行研究のレビューを行い、先行研究における課題や限界について検討を行った。 並行して、地域コホート研究データを用いて、認知機能と脳の加齢による変化との関連を横断的に検討した。本研究では、1356人の一般地域住民のMRI画像データをもとに、不均衡にくも膜下腔が拡大する、いわゆる disproportionately enlarged subarachnoid space hydrocephalus (DESH)様の変化が加齢とともに生じることを明らかにした。また、DESHが認知機能低下(Mini Mental-State Examination低下)と強く関連することを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
データ収集およびデータベース構築に関して予定よりやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
初年度に作成したデータベースをもとに、次年度以降に分析を実施する。MMSE、ADAS-Jcog、 リバーミード行動記憶検査、時計描画法(CDT)、順唱・逆唱課題、語流暢性課題、論理記憶課題等の神経心理検査について下位項目を含めたデータを用いて、原因疾患ごとや認知ドメインごとに分析したり、軽度認知障害から認知症へのコンバート症例の分析を行う。 当初の計画では、すでに実施された地域コホート調査の追跡調査としてMRI画像を含めた調査を令和3年度4年度に実施する予定でありそのデータの一部を使用して分析を行う予定であったが、追跡調査ではMRI撮影を実施しないこととなった。そのため、本研究においてMRI画像の縦断的分析は実施できず、かわりに横断データを用いて可能な分析を行うこととなった。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍において学会等での情報収集や分担研究者との打ち合わせが減ったため次年度使用額が生じた。
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