研究課題/領域番号 |
21K03061
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研究機関 | 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) |
研究代表者 |
西 真理子 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (70543601)
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研究分担者 |
横山 友里 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (30781231)
池内 朋子 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (40773809)
清野 諭 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (50725827)
北村 明彦 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (80450922)
藤田 幸司 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (40463806)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 主観的ウェルビーイング / アクションリサーチ / 地域高齢者 / 地域介入 |
研究実績の概要 |
本研究は、地域高齢者における主観的ウェルビーイング(以下、SWB)の維持・向上を目指すアクションリサーチである。本年度は、研究対象地域の自治体職員との検討会を開催し、SWBの維持・向上を目的としたアクションを決定、実施した。 研究対象地域の社会福祉協会に登録されているボランティア団体等に所属する60歳以上のボランティアから、ゲートキーパー・トレーニング(以下、GKT)の受講希望者を募った。GKTは2023年1月から3月に、3回を1クールとして、3クール実施した(講師はNPO法人日本ゲートキーパー協会に委託)。受講者は、ボランティア活動や日常生活において身近な人も含めた住民の悩みや困り事に気づき、話を聴き、適切な相談支援窓口や専門家につなぐといった役割や心得を学んだ。この学びを実践していくことが、地域全体のSWBに繋がることを期待しつつ、計40名が修了した。 なお、GKTの実施にあたり、2022年12月に前述のボランティア団体に所属する60歳以上の町民345人を対象に質問紙調査を郵送法で実施した(回収率66.4%)。ホランティア活動の頻度によって高活動群(1週間に1回以上)、低活動群(1ヶ月に1回以上~1年間に1回以上)、非活動群(現在ほとんど・全く活動していない)の3群に分け、SWBの評価指標である、生きがい意識尺度(以下、Ikigai-9)、改訂版PGCモラール・スケール(以下、PGC)、WHO-5精神的健康状態表(以下、WHO-5)についてKruskal-Wallis検定を行った。その結果、Ikigai-9(p=.055)、PGC(p=.105)においては統計学的有意差は認められなかったが、いずれも高活動群の平均値が最も高く、非活動群で最も低かった。WHO-5については3群間で有意差が認められ(p=.013)、非活動群のSWBが最も低く、高活動群で最も良好であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度は新型コロナウイルス蔓延防止の観点より、地域介入(アクション)は実施できなかったが、今年度は予定通り、地域在住高齢者向けの主観的ウェルビーイング(SWB)プログラムを実施し、SWBプログラムの前後で簡易な調査を実施することが出来たため。
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今後の研究の推進方策 |
研究2年目である本年度は、研究対象地域において、地域在住高齢者向けのSWBプログラム主観的ウェルビーイング(SWB)プログラムを実施し、プログラムの前後で簡易な調査を実施した。研究3年目は、本プログラムについて、その効果検証をするとともに、参加者へのインタビュー調査を行い、内容をブラッシュアップさせながらプログラム開発に取り組む予定である。また、11月~12月頃に、地域高齢者を対象に郵送調査を実施し、本研究期間中のアクション(介入)の効果検証を行う予定である。本研究を計画した当初は、研究4年目に郵送調査を実施する予定であったが、自治体からの要望もあり、時期を早めて研究3年目に実施することとなった。介入は、2023年1月~3月(本研究2年目)に実施しているため、調査時期を早めても効果は検証可能である。 最終年度の2024年度は(本研究4年目)、追跡調査のデータをベースライン調査のデータと突合作業を実施し、コホートデータとして、混合効果モデルによるマルチレベル解析により主要評価項目、副次評価項目の変化量の差異を検討する分析を行い、研究成果の学術会議における報告や論文化を行う予定で、本研究を進めている。また、本研究結果の調査対象地域への還元も適宜行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画では、最終年度である2024年11~12月頃に追跡調査を実施し、本研究期間中のアクション(介入)の効果検証を行う予定であった。しかしながら、調査時期について、研究対象地域である埼玉県鳩山町と協議を重ねた結果、町で実施する各種事業や調査との兼ね合いから、調査時期を1年前倒しし、2023年12月頃に実施して欲しいとの要望があった。そのため、追跡調査を1年前倒しして実施することになり、前倒し支払い請求の必要性が生じたという背景がある。 介入は、2023年1月~3月(本研究2年目)に実施しているため、調査時期を早めても効果は検証可能である。また、本研究の最終年度(4年目)にデータ分析による効果検証を行い、研究成果を学会発表や論文化に当てる予定である。
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