研究課題
基盤研究(C)
本邦における線維筋痛症の認知機能障害について基礎的な知見を提供し、認知行動療法の技法への影響を検証した。ディストラクション技法による痛み度の変化とセットの転換について有意な相関が認められた。PAINVISIONの呈示による痛みの受容の即時的な効果は認められなかった。線維筋痛症における認知行動療法のJFIQ、CPAQ-J(activities engagement)、PCS、PSEQにおける改善効果が示唆された。しかしながら実行機能との関連については、今後症例を増やし、さらなる検証が求められる。
臨床心理学
国内において、線維筋痛症の認知機能の実態や認知行動療法の効果についての報告はほとんどなかった。実行機能の低下の実態についての知見を提供できたことは日本の線維筋痛症患者の苦悩を理解する上でも有益と思われる。また、国内における線維筋痛症患者への認知行動療法の効果を示唆するエビデンスを提供できた。