研究課題/領域番号 |
21K03069
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
木村 奈緒美 名古屋市立大学, 大学院看護学研究科, 助教 (80791524)
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研究分担者 |
堀田 法子 名古屋市立大学, 大学院看護学研究科, 教授 (90249342)
小川 成 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 教授 (90571688)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 母親役割 / セルフ・コンパッション / 人生の意味 / 介入研究 / 産後うつ予防 |
研究実績の概要 |
乳児をもつ母親の自己肯定感を高め母親役割を促進するプログラムを開発することを目的に,ポジティブ心理学的要因「セルフ・コンパッション」「人生の意味」を用いた介入プログラムの作成とプログラムの効果検証のため,パイロットスタディならびにRCTを実施した。 パイロットスタディでは作成したプログラムの内容妥当性を検討することを目的に,3~6カ月児をもつ8名の母親を対象にプログラムを実施し,介入前後で質問紙調査を行った。その結果,母親役割の一つである「子どもへの認識」と「セルフ・コンパッション(ポジティブ因子)」で有意な上昇がみられ,精神的健康度(K6)は,有意な低下がみられた。プログラム内容が対象に妥当であると判断し,続いてRCTを実施した。登録された3~6カ月児をもつ母親32名を無作為に介入群,対照群に振り分けた。介入群にはパイロットスタディで実施したプログラムをオンラインにて提供した。介入前後に質問紙調査を実施した。分析の結果,母親役割は介入後の有意に高くなった。また,精神の健康度(K6)でも有意差を認め,対照群に比較し,介入群は安定して経過しているという効果が見られた。プログラム実施により母親たちは育児に対するネガティブな感情の低下となり,母親意識の向上につながったと考えられた。また,母親の精神的健康の安定に効果があることも示されたことから,産後の精神的健康度を維持向上することが期待できると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初はコロナウイルスの感染拡大により、介入研究の参加が難しく実施が長引くと考えられたが、オンラインを通したプログラムとなったことにより、行動制限時でも参加しやすい環境となりほぼ予定通りに進んだと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
研究は順調に進行しており、開発したプログラムの効果の検証もできている。しかしながら、産後うつの発症時期、持続性を考慮すると産後1年程度までの母親に対象を広げることも必要であると考える。したがって、今後は対象を拡大し、同プログラムが効果あるかについて検討する必要があると考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の継続中であるため、次年度にかかる費用として、研究成果の論文投稿費、英文校正費、学会発表の旅費が必要。また、研究調査の継続として研究協力の謝品、調査費、交通費が必要となるため計上する。
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