研究課題
2022年度も2021年度に引き続き、1) Parkinson病(PD)患者に対するMAO-B阻害薬の単剤投与による運動症状の改善率と各種の認知機能検査の成績との関連性、2) PD患者の行動抑制系/促進系と関連する臨床症状、について検討した。2022年度は昭和大学に移籍したたため、新たに同大学での倫理委員会の承認を得ることや血液検体でのモノアミン酸化酵素の活性の測定の準備などの研究の体制の整備をおこなうとともに、症例の蓄積をすすめた。既存のデータを解析し、MAO-B阻害薬単剤による運動症状の改善効果がベースラインのFrontal Assessment Batteryで測定した前頭葉機能と関連していることを示すことができ、論文化(Murakami H, et al. Effects of monotherapy with a monoamine oxidase B inhibitor on motor symptoms in Parkinson’s disease are dependent on frontal function. Neurol Sci 2023;44(3):913-918.)した。前頭葉機能がドパミン作動性である可能性を示す知見であると考える。
4: 遅れている
1) 新型コロナウイルスの蔓延により受診患者が減少し対象患者のリクルートが遅れたため。2) 研究代表者が東京慈恵会医科大学から昭和大学に移籍したことで倫理委員会の承認や研究体制の構築に時間を要したため。
積極的に対象患者をリクルートするとともに、辺縁系のドパミンが司る感情や情動などの機能について評価を行い検討を進める。さらに、血液や脳脊髄液のバイオマーカー、モノアミン酸化酵素の活性にも注目して検討を進める予定である。
新型コロナウイルス感染症の蔓延により本来の医療活動が制限された結果、対象患者数が少なくとどまったことや研究代表者の異動のため、研究が遅延したため。2023年度には研究の遂行を加速させるために、データ収集・整理を担当する研究補助員を採用する。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 学会・シンポジウム開催 (1件)
Neurological Sciences
巻: 44 ページ: 913-918
10.1007/s10072-022-06499-6.