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2023 年度 実施状況報告書

コロナ時代に適用可能なリモート対話実践プログラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K03083
研究機関筑波大学

研究代表者

斉藤 環  筑波大学, 医学医療系, 教授 (40521183)

研究分担者 森田 展彰  筑波大学, 医学医療系, 准教授 (10251068)
笹原 信一朗  筑波大学, 医学医療系, 准教授 (10375496)
大谷 保和  筑波大学, 医学医療系, 助教 (10399470)
大井 雄一  筑波大学, 医学医療系, 客員研究員 (90516056)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワードオープンダイアローグ / 対話実践 / オンラインミーティング
研究実績の概要

研究2として、オープンダイアローグ(OD)の研修を受けた研究責任者と研究分担者によって2名のチームを作り、精神疾患の治療を受けている研究対象者に対話ミーティングを施行した。ミーティング開始前後に質問紙調査を行った。調査時点で精神科で外来治療を受けている患者を対象とし、本人と同席する家族などの参加者、ならびに担当医の同意を得て、ODの原則に準拠した対話ミーティングをオンラインで行った。研究担当者は2名でチームを構成し、研究対象者は本人と家族を含む関係者1名以上の参加のもとで、全10回の対話ミーティングを行った。ミーティングの間隔は2-3週程度であった。研究対象者には、対話ミーティングの実施直前と、対話ミーティング終了後1ヶ月の時点で、主要評価項目にある質問紙調査を実施した。当初、目標とした事例数は10例程度であったが、諸般の事情から現時点で実施事例は5例にとどまっている。10回のセッションを終えた事例については、対話実践について肯定的な感想が述べられているが、最終的な評価は質問紙の解析によって行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

オンラインでの診療になれていない患者がほとんどであり、当初の予想以上に、オンラインでのミーティングに対する警戒心が強く、本人や家族の同意が得られにくかった。また、おそらくはオンラインゆえの問題として、対面に比して中断事例も多かった。治療チームや家族の参加というオープンダイアローグの原則も、一対一の個人精神療法に慣れ親しんだ患者にとってはなじみが薄く、抵抗感に繋がっているようであった。以上の理由からリクルートが大幅に遅れており、これが研究全体の遅れに繋がっていると考えられる。

今後の研究の推進方策

研究の期限が1年を切っているため、研究2については研究3のパイロットスタディという位置付けに変更し、オンラインミーティングの実践から得られた貴重な経験を活かして研究3に着手し、研究2についての評価はいったん保留として、RCTの実施へと進みたい。
RCT研究の対象者は調査時点で精神科で外来治療を受けており,研究参加に同意の得られたひきこもり状態の患者30名程度を対象とする。介入群と対照群を15名ずつに分け、ブロックランダム割り付けを用いて,先行してODを実施する介入群と,その約5か月後にODを開始する遅延介入群に対象者を群分けする。各群に対して、それぞれ合計10セッションのODを実施する。介入群に対しては最初の5ヶ月間にODを実施し、対照群に対しては研究を開始しておよそ5ヶ月目からODを実施する。研究の全期間を通じて、介入群も対照群も、通常治療(個人精神療法と薬物療法)を受けることが想定されている。主要評価項目の調査は、介入群に対しては、OD開始直前(Pre),介入群の最終セッション終了時(Post1),最終セッション終了から約5ヶ月後(Post2)に行う.対照群に対しては,本研究への参加同意直後(Pre1),Pre1から約5ヶ月後,対照群へのOD開始直前(Pre2),最終セッション終了時(Post)に行う。本人と同席する家族などの参加者,ならびに担当医の同意を得た上で,ODの原則に準拠した対話ミーティングをZoomを用いて行う。研究担当者は2名でチームを構成し,研究対象者は本人と家族を含む関係者1名以上の参加のもとで,1回30-40分,2-3週に1回の頻度で全10回の対話ミーティングを行う。ミーティングの間隔は2〜3週程度とする。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍により研究1の進捗が著しく遅れ、その影響もあって研究2の遅れつつあり、研究期間を1年延長して、2024年度には研究3の実施ならびに学会発表が予定されている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] オープンダイアローグの実装とその展望2024

    • 著者名/発表者名
      斎藤環
    • 雑誌名

      精神神経学雑誌

      巻: 126 ページ: 79, 89

    • DOI

      10.57369/pnj.24-016

    • 査読あり
  • [学会発表] How Open Dialogue is accepted in Japan?2023

    • 著者名/発表者名
      斎藤環
    • 学会等名
      6th International Conference on Dialogical Practices
    • 国際学会 / 招待講演

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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