研究課題/領域番号 |
21K03090
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
義田 俊之 国際医療福祉大学, 福岡保健医療学部, 講師 (60585933)
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研究分担者 |
細井 昌子 九州大学, 大学病院, 講師 (80380400)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 医療不信 / 質問紙 / 難治性疼痛 |
研究実績の概要 |
細井ら(2022)は,痛みは,長引くと心理社会的因子との相互作用で難治化・重症化するため,個人の苦悩を理解するためにライフレビューを行い,信頼関係を構築した上での bio-psycho-social model に基づく診療を要すること,特別な介入を要する痛みの難治化要因とその評価方法についても概説した。 さらに,うつ病と慢性疼痛の関連は以前より示唆されているが,新型うつと慢性疼痛との関連を検討した研究はなかった。細井ら(2022)は,大学病院または関連病院の精神科外来を受診した初診患者221名中,139名が慢性疼痛を有しており,慢性疼痛を有する患者では,新型うつに関連する心理特性である不平不満傾向が関係していることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
心療内科を受診した疼痛患者の自由記述データから,医療不信を測定する質問項目の作成し,妥当性検証のために必要な測度の選定を行っている。 新型うつにおける不平不満傾向の高さという心理的要因が関与している可能性から,医療不信を測定する質問項目の中に,治療関係に関する不平不満を測定する項目を追加する作業を行っている。また,妥当性検証のための測度の中に,怒りや欲求不満に関するものを追加するために,検討を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
作成した質問紙調査実施のために,協力を仰ぐことのできる医療機関を開拓し,調査に着手する。 それと並行して,慢性疼痛を対象とした既存の認知行動療法のプロトコールをレビューし,介入研究の準備を行う。さらに,治療者-患者関係に焦点化した,機能分析心理療法などのプロトコールをレビューし,調査で明らかになる慢性疼痛の治療者-患者関係の問題に,これらの療法をどのようにすれば応用可能になるか,議論を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年度に調査実施を計画していたが,開発中の質問紙の項目および妥当性検証に使用する測度を見直したため,調査の実施を延期した。そのため,調査実施のための経費を使用しなかった。2023年度には調査に着手する。
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