研究課題/領域番号 |
21K03102
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研究機関 | 九州産業大学 |
研究代表者 |
窪田 由紀 九州産業大学, 学術研究推進機構, 科研費特任研究員 (00258576)
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研究分担者 |
伊藤 亜矢子 聖学院大学, 心理福祉学部, 教授 (50271614)
小林 朋子 静岡大学, 教育学部, 教授 (90337733)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 学校コミュニティ / コミュニティ・レジリエンス / 学校危機 |
研究実績の概要 |
【学校コミュニティ・レジリエンス概念・構成要素の検討】 Maguire et al., (2007)を基に,学校コミュニティ・レジリエンス概念・構成要素として,①コミュニティへの信頼,②リーダーシップ,③集合的効力感,④コミュニティ感覚,⑤コミュニティへの関与,⑥規範・価値の存在,⑦コミュニケーション,⑧システムの存在と機能を抽出した。 【学校コミュニティ・レジリエンス尺度項目プールの作成】 昨年度実施した教育行政・学校関係者のインタビュー結果から,職員集団のまとまり,危機の早期発見・対応,危機時の情報共有,学校の環境整備,管理職のリーダーシップ,役割・責任の明確化,風通しの良さなどに関する46項目を収集した。続いて, Cenat.J.M. et al(2021) , Leykin.D et al (2013) , VanHorn et al(2016)から抽出した71項目を翻訳し,学校状況に合わせて加除修正を行った。上記46項目を加え,8つの構成要素に照合して重複の調整を行い,レジリエンス研究,学校風土研究の専門家,更に教育行政・学校関係者によるチェックを経て117項目からなる項目プールを作成した。 【学校コミュニティ・レジリエンス尺度項目案の作成】構成要素の包含関係と回答負担を勘案し,リーダーシップ,関係性・コミュニケーション,システムの存在と機能の3次元から成る36項目の学校コミュニティ・レジリエンス尺度(案)を作成し,A市教育委員会の協力を得て,43校760名の教職員を対象に予備調査を実施した。その結果に基づいて6下位尺度からなる学校コミュニティ・レジリエンス尺度を構成し,各校について教育委員会職員2名ずつによる評価結果や児童生徒のデータの提供を受け,尺度得点との関係を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、項目プールの作成から尺度項目案の構成、予備調査、結果に基づく尺度の作成と、概ね計画通りに進めることができた。 A市教育委員会との協働体制が構築でき、全面的な協力の下に予備調査が実施でき、教育委員会関係者からの学校評価や児童生徒に関するデータの提供を受けることができたことは、本研究を進める上で非常に有意義であった
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今後の研究の推進方策 |
今後は、妥当性の更なる検証に向けて、新たに協力校を募り、外的基準となる他の尺度との関係を検討し、学校コミュニティ・レジリエンス尺度の精緻化を図る。 併せて、学校による自己点検に活用できる体制について、教育委員会関係者と協議しつつ、システムを構築するなど、最終年度として研究全体のまとめを行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
学会がオンラインであったこともあり、その折実施予定であった分担者とのMtgが実施できなかったこと(分担者分の未使用分)、研究支援者を招聘しての年度末のMtgが中止となったことなどによる。 次年度は最終年度であり、また学会も対面実施が予定されているため、成果発表のための旅費等で使用する。
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